銀杏の木 恋愛で


 二股分かれの黄色い私はどこまで行っても中間色で、これを暖かいと感じるかどうかは人の情緒で成り立っているのだと感じる季節。 

 色弱、貴方にはどう見えているのか、私には永遠としてこの問いは切なさを与えるのですが、きっとそれでも貴方は「あ、秋だね」と何事もなく銀杏の木を眺めて言うのでしょう。あの木はとても、強い木だから。

 春や夏を駆け抜けていけば心には花粉症が残っているようにむず痒いのです。いまの貴方に私は何色に見えるのか、どうして秋はどこか寒さを感じるのでしょうねと、誰に聞いてもこの夕陽の射す部屋には私しか残っていないのです。

 狭苦しく感じていた部屋はがらんどうに何もなくなる前、まだ寒くはないけれど私はここから立ち去ろうかなと決意をして一年が経ちました。まだ、黄色の葉色が残っているような記憶の景色に、貴方はどこで幸せになれたのかしらと、二股分かれの季節に思います。

 もう少し、もう少し。
 あと少し、あと少し。

 欲しがっては乾燥してしまうのだと、次の家では除湿器を買おうかなと思います。

 ドライであろうとしていた自分の浅はかさに、いまじわりと湿った空気が入っていきそうです。

 凍る前にもう一本先の未来へ歩んでよかったのだと持っています。皹はなかなか治らないでしょう。
 だけど言ってあげたかったよ、また会いましょうともう一言だけ。
 貴方はきっと青色のあのこの色ならはっきり見えるはずだから。

 花粉症、治らないなあ。
 季節の終わりに、また思い出す、乾いた風のように。

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