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寒空の午後に、銀の光が刺している。いまはもう古くなった、月面写真の向こうの世界に、私は光景を見て、情景思いを探しています。

月面を歩くあの宇宙飛行士は今、形のない貴方を見つけることが出来たでしょうか。しんしんと降る嵐に私は小さな窓から、見上げるのです。私が生まれる前を。


今日は雪が振りました。とても寒い日です。夜にも止まず、やっと朝方に白い、小さくなった月を眺めました。

小さな窓から、キラキラと光る朝は嫌いです。今夜は、デジタル表記の世界の向こうに、澄んだ夜を迎えられるでしょうか。

雪の日に彼は光のように、そこへ歩いて逝ってしまった。

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