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 邑楽は布団をよかしながらあての寝間着に手を入れ、首筋に舌を這わせてくる。

 どうしようかと邑楽の肩を押し返そうとしてみる。どうも力は入らないが、意図は伝わっているはず。

「満足出来なくて、あたし若いから、あんなおっさんじゃ。み空兄さんいつもどうしてんのかなって。これからお世話になるならさ」

 得意気に目を合わせてきてふっと、あてを脱がせながら肌を吸ってくるのに拒否をしても、邑楽はガンとした態度で、「熱いなぁ、」と言いながらふっと、あての逸物をしごいてきた。

「あぁ、兄さんの肌、歳の割にすべすべなんだね、あたしとはきっとまた違うかなあ」

 …股間を蹴ってやろうにも位置的に足が動かない。これは困った。これが知れたらあては喋れないし、この子、良い加減なことを言ってあてのせいにしそう…。

 芝居小屋の子なんてかなり揉めそうだしと思えば、彼が顔を近付けて来る。それを反らそうが力強く手でぐいっと戻され、唇を重ね舌を入れようとしてきた。

 更に口を開け歯列をなぞられるそれに、一度口を薄く開け噛もうとすれば「怖いわぁ」と離れていく。

「声も商売道具なんで、はは、喋れないんじゃわかんないかもしれないけど、止めてよね」

 …なんなんだ一体。

 あての逸物に触れながら身体に舌を這わせ、「んーでもわかる気がする」とこそばゆい。

「そこらの男より気持ちいいかも。なるほどね…あんたが年寄りでもしがみついて一流でいられるの、わかる気がするわ」

 邑楽はいやらしくにやっと笑い「何より面もこれが傾城けいせいってのかな、綺麗だしね」と、あての手を、自分の起立しかけた逸物に持っていく。

「ねぇ兄さん?たまには使いたくならないの?それとも入れたことない?凄くいいんだけど…熱いのにふにゃふにゃだね、あたしそんなに魅力ないかしら?
 まぁ、どうせならあたしもあんたに入れてみたいし入れられてみたいから…」

 はっと自分の袖口から何か…粉末のものを取り出し行灯の油で解いた。
 …この状況、非常に不味いなとどうにか退かそうと身を捩ったのが良くなかったようだ。

「………っ!」

 いきなり菊座にがつっと指を二本入れられ息が止まりそうになった。

 振り返り睨もうとすればあれ……ぼたぼたと目から涙が出て驚く間もない、身体が中の指からがっと熱くなり、初めての身体の変化にどういうことだと混乱が頭を占める。

「あはは!何?田崎さんと交わろうと用意したの?あっさり入っちゃったね!それともいつもこんななの?一流は舐められるくらい綺麗って言うもんね、」

 ぐりっと中で指が回り、腹の方をぐりぐり弄ばれるのに、熱で機能もしそうになかった逸物が起立していく。

 何、なんやこれ、いや、待って、体勢が苦しい、息が止まりそうだとぐっと身体をまた仰向けに戻せばあてのそれを見て「はは!やっぱり菊座に直は効くの早いってホントだね!」と楽しそうに笑う邑楽の姿が猟奇的に見えた。

「媚薬だよ?ねぇ、いい?あたしもあとでやってよ、兄さん」

 自分の逸物にもその媚薬を塗りつけた邑楽は「よいしょ、」と容赦なくあての足を開き、ぐっと遠慮なしに入れてきたが、媚薬、油程度じゃ痛みが走る。

 のに、逸物が一瞬ピクッと反応してしまった。

 首を入れたのみの邑楽は側に来て忌々しそうに「はーキッツ、流石だよね、この歳で」とほとんど無理矢理な状態で押し進めてくる。

「ねーあのさ、あの人にあたしがされたことされてみたくない?あんたって客選ぶんでしょっ、」

 更に押し進められ、意図せず力が入ってしまった……頭痛がする、けれど思考がほわほわして身体も熱くてもう…よくわからない。

「どこが、いいわけ、んな…、馬鹿みたいな、もっさいの!」

 …絶対そっちも擦れて痛いだろうに、彼はひたすら「24文とか、嫌味ったらしいし、あんた、客の、教育、なってないじゃんっ、」とガツガツ突かれるのに怒りを感じた。

「……兄、さん!」

 はっとした。

 要の声がして襖を見ると、間があったが「…んた、やめろっ、何を、」と切れ切れに言う要に邑楽は止まり、柄悪く威圧するように「あ?」と要に声を発した。

「お前も苦しそうだなぁ、研修中だっけ、はは、んなこと言って元気そうじゃないか。どうせいつも犯してんだろ?あ?」
「…違う、」

 立つのも辛そうに襖を掴んでしゃがんだ要に「はは、一緒にする?つーか見てれば?兄さんの技たるや、ねぇ?」

 あての足を掴み上げまたガツガツやり始めた邑楽に、押し飛ばそう、要が泣きそうだと、あの、一が震えながら耐えていた日を思い出した。

 熱でダルくて力も曖昧だけど、半身を起こそうと腹筋に力を入れれば中もキツくなる、自然にぐっと入ってきた邑楽の動きがぎこちなくなるなかふっと、喉に何かが垂れ込み変な場所に入った、あ、これ鼻血だと気付くよりも噎せるのが早かった。

 邑楽の顔に少し血が吹き掛かる。
 「わっ、」と邑楽が顔を伏せた瞬間、要が「だ、誰かぁっ!助けてっ!」と叫んだ。

 青ざめた邑楽はふっとあてから離れ一言「…なに!?労咳とか聞いてな」何か言っているけど、余程頭に血が巡ってしまったらしい、意識が遠退く前に鼻血を吐き出すことは、出来たけれど。

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