サーバーメンテのお知らせ


記録媒体…4歳の頃に個性が発現してから、それからの記憶を全て脳内に記録されている。

何年何月何日…その日何を食べて何をして何を見たか、全て記憶をサルベージすれば鮮明に思い出せる個性。

他人の個性をも、使用しているのを見てどんな個性なのか理解できれば使用する事だって出来てしまう…世界から恐れられた私の力には…
限られた人にしか知らない、秘密がある…。


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朝、違和感に目が覚めれば隣で寝ていたはずのなまえが居ない事に気が付いた。
なまえどこだ?って部屋を見渡せばそいつは直ぐに見つかったが…どうも様子がおかしいなまえに俺は首を傾げた。

だって、コイツ…

「…なまえ?おめ…え、何してんの…?」

ブツブツと何か呟きながらなまえは壁におでこ付けて部屋の隅っこに突っ立ってた。や、怖ェよ。

寝起きからテメェの女の奇行に俺の頭は軽いパニックで、恐る恐る壁に念仏唱えてるなまえに近寄ってこちらを向かせれば、…えぇと、…なんか、瞳孔ガン開きの黒目しか無い猫みてぇな目をしたなまえと目が合った。

いや、これ、目合ってるか??
まるで…俺を映してはいるが、なまえの目は俺を貫通して遠くを映している様で…え?どうした、オマエ…?


「…す、さん…わ…し、きょ、…だめ…メン…ス…」
「え?ちょ、なまえ?何言ってっかわかんねぇよ?」

何か、俺に伝えようとしているなまえだがボソボソとまったくもって聞き取れねぇ!
なに?なに?と顔を近づけて何とか聞き取ろうとすればかろうじて聞き取れたのが、

「…メンテ…はじまった…?」

なんだそれ。
メンテ?…メンテナンス、か?
んんっ??と、俺は更に首をかしげるはめになった。

ただ、
じぃーーっと、俺を見てんのか見てないのかわっかんねぇ目だけど、顎を俺の胸元にくっつけきょとん、と俺を見上げてるなまえは…ちょっとかわいい…。くそ、煩悩め!







「………エース、こりゃいったい…どういう状況だよい…?」
「おーマルコ!、って、なまえ〜まぁた口におべんと付けてるぞ、ったく」

ひょい、っとなまえの口の端に付いた米粒をとってから俺はそれを食べて、なまえの口をぬぐってやる。
もふもふと咀嚼して、んあーと俺に口を開けて飯を強請るなまえは。
親鳥に雛鳥が餌を欲しているソレにしかみえねぇ。

いつものなまえと比べ物にならねぇくらい、素直で甘えたでちょう可愛い!…まぁ、相変わらず何見てんのかわっかんねぇ目しちゃぁいるが…口を開けば暴言しか言わねぇようななまえが、今日は単語単語でしか話さねぇし…

それも、おめぇ…

「えーす、すき。ごはん おいしね?」

えーす、すき、だいすき、あいしとぉよ?

「〜〜〜っ!!マルコ!!これ!こいつ!!めっちゃかわいくね!!?」
「いやいやいやいや、俺ァもうどこから突っ込めばいいんだい!?そもそもなんでコイツ馬鹿になってんだよい!」
「朝起きたらもうこうなってた!っあ、なまえ!それはあちぃから俺がふーふーしような?」

なまえが手を伸ばしたスープの入ったカップを手に取り、湯気が立ち上る美味そうなクリームポタージュを息を吹きかけて少し冷ましてからなまえの口にスプーンで運んでやれば、パクリとスプーンを咥えて「んまい、んまい」と、朝っぱらから無表情でしかねぇなまえの顔が、どことなく綻んだように笑ってる気がした。

「マルコー、聞いてよ。もうずっとこう、食い意地で生きてるようなエースが、ずっと甲斐甲斐しくなまえの世話してんの!やばくない?」

「エースよぉ、おめぇさん。夜はもうちっと手加減してやらねぇとなぁ?嬢ちゃん抱かれ過ぎて頭までいっちまったんじゃねぇかい?」

「おい!おいやめろ?イゾウまじでやめろ?俺の可愛い妹でそういう想像させんのやめろ??」

ハルタとイゾウとサッチがテーブルを賑やかしてる間にも、俺はなまえの口にスープを運んで。
マルコは未だに目じりをぴくぴくとさせながら呆れた様に俺達を見てた。

まぁ…確かに?イゾウが言う通り、ちょーーっと昨日は盛り上がりすぎて。
なまえの意識がぶっ飛ぶまでやりまくったけど…別に、いつもの事だしなぁ…。と、思い更けていたら。
よそ見しちまって、なまえがスプーン咥える前に傾けちまって…トロッとしたポタージュがなまえの顎に垂れた。

「んあ…こぼしちゃった…しろいの、べたべたするね?」

エースのみたいだね?ぜんぶ、ごくごくしないとね?


「「「「「………」」」」」

ぱた、と顎をつたってこぼれたクリームポタージュ…。
なまえはソレをちろちろと可愛いベロ伸ばして口元を汚したスープを舐めとっている…言わずもがな、
「…腰に来た…」
「うわぁあああああああえぇええすうぅううう!!!テメェぇえ!!どんなプレイさせてんだぁあああうわあああ」

発狂したサッチなんて俺の頭に入ってくる余地は全くなくて、ただただなまえを見てる俺の頭ン中は、かわいい。すき。やりてぇ。すき。しか沸いてこなくて、ガタッと椅子を倒して立ち上がった俺にマルコ達がなまえに向けてた目を、俺に向けた。サッチはテーブルに突っ伏して泣いてた。

「…なまえ、ごめんな?服、汚れちまったし。部屋いって奇麗にしような?」
「?うん。おへや。えーすだっこ。」

…っ!!だっこ!!!だっ!!!!!っこ!!!!!!!
うん!うんうん!!!だっこな!だっこ!!べっとのうえでもいっぱいだっこしようなぁ!!

なまえのあまりの可愛さに鼻息荒く興奮してりゃぁ、マルコが落ち着け!と足を小突いて来て

「エース…ちょっと落ち着きなよ、燃えてる燃えてる」
と、ハルタが言った通り、肩がちょっとメラメラしちまった。

おっと、いけねぇいけぇね…落ち着け、俺、

「よし、なまえだっこしようなぁ、ほら、ちゃんと首んとこつかまってろよ?」
「うん、えーす。だっこすき。」

なんなん?一体全体、どうしたってんだ?ん?俺は夢でもみてんのか??
なんでコイツ、こんなに今日は甘えたなんだ?俺しぬ?なまえに心臓締め付けられすぎて俺しぬ?

「〜〜っ!じゃ、俺。ちょっとなまえ甘やかしてくっから!」

そういうや否や、俺はなまえを抱えて自室へと向かうのであった。







「なまえ〜〜お着換えしような?」
「うん、ぼたんぷちぷちする?」

するする〜!と俺はなまえに向かい合ってベットに座り、シャツのボタンをプチプチと外していく。
全部外してやれば、前がガバリと開いて。腹に彫った俺のシルシがちらちら見えて中々スケベだ。

スケベと言えば、なまえの下着に押しつぶされる様に乗った乳の肉もエロい。
こいつ、なんかデカくなったんじゃねぇの?って思うくらい、下着のサイズが合ってないのかカップ?んとこに収まりきってねぇ乳が、たぷん、って乗ってて…ちょっとズラしただけでかわいいピンク色が見えそうだった。

「なまえ〜、おっぱいおっきくなったな?」
俺のおかげかなぁ〜〜、なんてニヤニヤとなまえを見れば、コテンって頭をかしげている。
いや、かわいすぎか?

顎から落ちて、スープはなまえの胸元をも汚しちまったみてぇで、俺はそれを丁寧に少し濡らしたタオルで拭いてやれば、むにむにと柔らかいなまえの身体がきもちいい。

「きれいできた?」
そういって俺を覗き込んでくるなまえ(目は何処を見てるかわからん)がどうしようもなく可愛くて(重症)
思わずベットに押し倒しちまった。理性が燃え散った瞬間である。

「ンンンンッッ!っとに!どうした!おまえっ!!やけに素直だし!」
「エースにすきすき、してほしいな?って、」

すきすきするするーー!
「んーーーっ、なまえっ、かわいい、ちょうすき!やりすぎてバカになっちまったん?」
どうしたぁ???おまえぇ〜〜〜〜??も〜〜〜!

なまえを抱きしめながらベットで悶えている俺に、なまえはすりすりと首元にすり寄って来て。
下あごをこしゅこしゅと少し撫でてやれば気持ちよさそうに目を細めてなまえは蕩けた(様に見える)

「きもちいの?なまえ?」

顎をくすぐってやれば、猫の様にゴロゴロと喉が鳴る幻聴まで聞こえて来た…。俺はなまえの苦しそうなおっぱいを開放してやらねばなぁ?と、手を背に回して。フックで引っかかってるそれをプチりと外した。

うん、今日もみずみずしいたわわだ。

ぷるん、とあふれ出て来たそれは、締め付けから解放されて喜んでいるようにも見えて。
よしよししようなぁ?って、ぷるぷるなそれを手で押しつぶすように撫でた。

「んぁっ、えーす?あまえんぼしよ?」
「んん?今日のなまえちゃんは甘えんぼだなぁ?ほら、いってみ?どうしたい?」

ぎゅぅ、となまえの身体を俺の上に布団をかけるみたいに乗せて、なまえにどうしたい?って聞いてやれば。
コイツは無表情だった顔をへにゃりと崩して…もう普段じゃ絶対にこんなへにゃへにゃな顔をしないなまえに俺はもう爆発しちまうんじゃねぇかって思ったのに、コイツときたら…もうっ

「あのね、いっぱい いいこいいこして?きょうはずっとだよ?ずっと、えーすときもちいことしたいなって」

ボッッッ!…と、頭が爆ぜた。

文字通り、首から上がメラメラで一瞬燃え散った。枕も燃え散った。

神様………俺、オメェの事、別に信じちゃいねぇけどよ………今回ばかりは………ありがとよ…。合掌。


目を閉じて、神に感謝をささげていれば。目じりをつー…と、涙が流れた。


生きてて…良かった…っ。


もにもに、って、なまえが身じろぐ感じがして。感謝を捧げつむっていた目を開けば、俺の上で少し身を起こしたなまえが「よしよしして?」って、もう、それはそれはそれは大変可愛らしい顔(そう見えるだけ)でオネダリされて、誰が断る…?

たゆん、と俺の胸板に乳の先の方を擦り付けるみたいになってる半裸のなまえの腰に手を回せば、

「あのね、おぱんつね、きもちわるいから…ぬぎぬぎしよ?」


嗚呼………なまえ…生まれて来てくれて…ありがとう…っっ!!



「なまえ〜〜俺が、い〜っぱい、きもちいことしてやるからな?」



もう、その日は部屋にこもりきって、なまえをべっとべとに愛しつくした。

バカでアホで素直ななまえは、大変すばらしくスケベでした、っく…ありがとう…神よ…!


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私の個性には、一部の人にしか知らない秘密がある。

日々、膨大な量の情報を記録していくこの個性は…1年に1度、それも決まった日も無く。
唐突に溜め込んだ膨大なデーターを整理するように、個性が勝手に記録情報の一斉クリーンアップ処理を行う。

重要な記録なのか、そうではない記録なのか、それらを一斉に記憶の引き出しの、さらに細分化された引き出しへの振り分け作業…、私はこれを。

サーバーメンテの日。と呼んでいる。

唐突に来るこれは、私の全ての思考能力を低下させ…必要最低限の理性のみで脳を機能させるため。
メンテ日は常にセーフモードでの思考回路になってしまう。

そのため、突然来るこのメンテ日には…てんで使い物にならない私に勝己達、長い付き合いのメンバーと雄英時代の教師陣しかこの事実を知らない。

だって、こんな日に敵と会敵したともなれば、まぁーいちころである。

ゆるゆるな理性と、がばがばな思考能力。

アホみたいにぼーーっとして終わる日もあれば…猫にまみれて一日を過ごしたり、一日中相澤先生にしがみついておぶられていた日もあったらしい。

らしい、というのも。メンテ開けの翌日にはその記憶が全く無いからだ。
毎年、行動に一貫性は無くて。その年その年に起る奇行に同期の皆は頭を抱えた事だろう。


そして…昨日も、毎年恒例のソノ日が来たようだった。




「んんー……なんか、身体だるい…。あの…私、昨日もしかしてバカになってませんでした…?」

食堂にてワイワイとテーブルを囲む何時ものメンバー。

マルコさんに、隣には今朝からやたらにっこにこのエースさん。
何かに打ちひしがれてるサッチさんに、ニヤニヤと終始私をみているイゾウさんとハルタさん。

「…なまえ、おめぇにかぎって…覚えてねぇのか…?」
「え…やっぱりかぁ〜…。私、恐らく昨日は年一の“サーバーメンテナンスの日”でしたわ…」

「「「「「サーバーメンテナンスぅ??」」」」」

声をそろえて疑問を浮かべた皆さんに、私の個性の秘密を教えれば。
「あぁ…それで…」、とどこか納得したようで。

いったい今年は何をやらかしちまったんだ?と恐る恐る聞けば、一様に皆さん口を閉じた。
イゾウさんはプスプスと笑っていたがな。

「…あり、…もしかしてヤバいかんじでした?」

ぽん、と私の肩に手をやるエースさんが艶やかな表情で、…え?こいつ、こんなお肌つやっつやだったか?頬に艶玉できてんぞ?

パァァ、と菩薩様の様な微笑みでエースさんは言った。



「昨日のなまえは…最高に甘えん坊だったぜ…」

だから、俺が…いっぱい甘やかしてやった。…と、。



…改めて、自分の身体に集中して意識をやれば、
怠い身体…痛む腰…少し腫れたあそこに、ちょう艶々の目の前のメラメラ野郎…。

朝も…そういや服着てなかったしな…、いや、エースさんと寝る時は大体着てねぇし、今に限った事じゃ…、え?

………まじか…。


イゾウさんから、昨日はお前達朝飯食った後から…ずぅっと部屋にこもってたもんなぁ??

その一言に確信した。


コイツ、バカになった私を…っ

「言っとくけど、なまえから誘ったんだからな!気持ちい事しようって!お前からだったからな!」



OH………。






誰かが、言った。
この、毎年の記録サーバーのメンテでの思考能力低下問題からの奇行について。

最低限の理性と本能で行動する私の行動パターンを分析した結果、その年に一番印象に残った事に本能が働くのではないか?と。

確かに、相澤先生に1日おぶさってた時は、ちょうど先生に焦がれてた年だったし。(淡い心は散ったが)
癒されてぇ〜〜、って心が疲弊しきっていた時は猫にまみれてたり、お茶子ちゃんをひたすら抱きしめていた年もあった。


今年は………異世界に飛ばされ、みんなと出会い。
エースさんと結ばれ………ひたすらやりまくりな異世界船上生活………。


ガッッッ、と顔を手で覆って震える声でエースさんに聞いた。

「い、いちにち、中………?ず、っと?」
「俺…素直ななまえが、あんなに可愛くてヤバいとは、思わなかった、ぜ」

グっと、サムズアップしたエースさんが。まさか、自分から股広げて来るとは思わなかった。最高だった。…と。


その一言で私の思考回路はショートした。

「…穴があったら入りたい……っ」
「穴に散々突っ込んだのはエースだけどな。」





イゾウさんンンンン”ン”ッッ!!!!