朝比奈さんの苦労が分かった日
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  • 何コレ? スッゴく恥ずかしい!!

    今、私はSOS団の部室の中にいる。
    放課後帰ろうとしていた所をハルヒに強制連行された。


             ☆


    「夢子っ、なに帰ろうとしてるのよ!」

    『えっ!?』

    廊下を昇降口方面に向かっている私をガシリッと掴んできたハルヒ。

    いろんな意味でびっくりしたぁ。

    「えっ!? じゃないわよ!! 部活よ、ぶ か つ!!」

    そうだった、この前キョンとハルヒに古泉君が好きだってバレてしまったんだ。

    しかも、入部までさせられて……。


    「やっと、夢子に着てもらう服が手に入ったのよ!」


    『へ、へぇー?』

    「早速着てもらうから! 早く行くわよ!!」

    そう言うとハルヒは、私を引きずりながら部室へと走っていった。


             ☆


    こんな感じて部室まで連行されました。
    廊下を歩いてた他の人達の目線が痛かった!

    で、部室で着替えている私。

    最初はハルヒに無理矢理着せられてたけどね。

    朝比奈さんの苦労が分かった気がする。

    みんなには部室の外で着替えが終わるのを待っていてもらっている。

    正直言って恥ずかしい!
    私が着ろと言われたのは、朝比奈さんのとは少し違うメイド服。

    何処が違うかというと、違いは3つ。

    スカートの丈、朝比奈さんの長い丈に対して、私のは極端に短い!

    もう少しで、下着が見えてしまいそうだ。

    2つ目は、袖。
    袖は長く、腕を隠している。

    が、肩は大きくでている。
    肩が出ているのは、朝比奈さんと一緒だ。


    そして3つ目は、ねこ耳!!

    メイド服用のフリルの付いたカチューシャに、黒いフサフサした耳が取り付けてある。

    (付けたくない……)

    コスプレの趣味なんか無い夢子は、それを見た瞬間死にたくなった。

    でも、付けないでハルヒに見せたら無理矢理付けられそうなので仕方なく付ける。


    普通なら、好きな人にこんな姿は見られたくない、だが、この服を選ぶのを古泉も手伝っていると聞かされているため着ない訳にはいかない。


    ハルヒが恐いし……。


    考えながら着替えていると、ドアを強く叩く音がした。


    ハルヒがノックをしたのだ。

    「夢子! 遅い、遅いわよ!! 早くしないと強制的に私が着せるわよ!!」

    『もっ、もうちょっと待って!』

    「仕方ないわね。あと、5分したら強制だからね!」

    『う、うん!』


    どうしよう……。

    着替えは終わってるけど、気持ちの準備が出来てない。


    あと3分。

    ドアの外からハルヒが言う。


    あと1分。



    5、4、3、……。


    ガチャッ。



    とうとう、ドアを開けてしまった。

    恥ずかしすぎて死にそう。


    『……どう、ですか?』

    「「「「「………」」」」」


    何でみんな反応してくれないの!?
    変だったのかな? 似合ってなかった!?


    「……いい」

    『へ?』

    「可愛い! 完璧よ夢子!!」

    『あ、ありがとう?』

    ……嬉しくない

    「選んで良かったわ、コレ! 結構高かったけど」

    『み、みんなは……』


    「似合ってますよ、夢子さん」

    「あぁ、悪くない」

    「夢子ちゃん可愛いですよ、とっも」

    「……(コク」


    良かったぁ。
    似合って無いかと思った。


    「今日から毎日それを着てもらうから!」

    『……はぁい』

    「よろしい!」

    ハルヒは満足そうに言う。

    毎日着るのは恥ずかしいけど、だんだん慣れてくると思う……し。

    慣れたくないけどね。


    古泉君も似合ってるって言ってくれたし!

    これからの高校の部活生活? を楽しむことにしよう!!

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