こころ穏やかに在れば
いつも笑いあえる
そんなことを思ってたんだ　
ずっとね　明日も　その次の日も

去りゆく同胞はらから見遣り
滅びの足音聴く

やがて全て無に帰す
無常にただ膝をつく
色不異空しきふいくう　移ろいゆく景色を見て
空不異色くうふいしき　色づき朽ちる草木を見て

色即是空しきそくぜくう　遍くあまねく生に祝福を
空即是色くうそくぜしき　必定ひつじょうの死に喝采を

この狭い世界でただ小さく
静かに生きたい　でも儘ならない

緩やかな滅びの中でぼくらは
やさしい歌うたう



「例えば朝目覚めたら
みんな出鱈目だった」

そんなことを考えてたんだ
ずっと　ずっとずっとね
無有恐怖むうくふ　如何に解すやこの悟り
遠離一切おんりいっさい　有象無象が八面玲瓏はちめんれいろう

顛倒夢想てんどうむそう　心に残せよさすれば永遠
究竟涅槃くきょうねはん
嗚呼如何に此処が地獄なりとも
生きた輝き　決して絶えない

今際いまわの際でぼくらの歌をやさしく
口遊もうくちずさもう君に
この狭い世界でただ小さく
静かに生きたい　ただそれだけ

緩やかな滅びの中でぼくらは
やさしいうたうたう
さあほら　目を閉じて
羯帝羯帝　波羅羯帝ぎゃーてーぎゃーてーはーらーぎゃーてー

色不異空しきふいくう：形あるものは実体がないことと同じこと
空不異色くうふいしき：実体がないからこそ一時的な形あるものとして存在するもの
色即是空しきそくぜくう：形あるものはそのままで実体なきものであり
空即是色くうそくぜしき：実体がないことがそのまま形あるものとなっている

色不異空 空不異色 色即是空 空即是色：形ある物はさまざまな条件によって、今あなたの目の前にあり、いろいろな条件（縁）によって成り立っているものが「物」なのだ

([D:32611]疑: さえぎるもの、邪魔をするもの。心をさえぎるもの＝自己欲)
無有恐怖むうくふ：全体では自己欲を無くすと怖いものが無くなる。
遠離一切おんりいっさい：一切の迷いを離れる
八面玲瓏はちめんれいろう：どんな人とも円満に交際する人。どの面から見ても綺麗
顛倒夢想てんどうむそう：自分にとって為に成るのに嫌い、また、為にならずダメに成るのに好き
究竟涅槃くきょうねはん：仏教における涅槃の境地のうち最も尊い・最上の・究極の涅槃のこと。