「いいか名前、俺達は何があってもずっと友達だぞ」
『うん、清志くん!』

 思えばあの頃は何も考えてなかった。
 清志も私も、仲の良い幼馴染み。
 あの頃から既に好きだった。
 “何があってもずっと友達”。
 清志も私も、中学になっても高校になっても、大人になっても仲の良い間柄でいたくてそう口に出した。

 今になってその言葉の意味をよく考えてみる。
 どっち道告白できないじゃない。清志との約束を破るなんてしたくない。

 じわじわと蝉が鳴いていた。
 汗ばんだ手で指をきった。
 顔を合わせて笑い合った。

 あの頃は何も考えなくてよかったから楽しかった、なんて、今を否定してちゃそりゃあ楽しくないわ。

 秋風が私の隣のブランコを揺らした。
 彼はまだ来ない。


241215


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