『不動さん不動さん!』
「……」
『不動産! ハゲ! ニート!』
「今ニートっつったのどの口だ」

 だって不動さんが働いてるところ見たことないんだもん。
 そうきっぱりと言われると、さすがに傷付くものだ。無邪気な子供ほど恐ろしいものはない。
 名前とは最近出会ったばかりなのだが、凄くなつかれてしまった。なぜか。
その証拠にさっきからずっと後ろをつきまとってくる。
 あー、うぜぇ。しつこいんだけどこいつ。
ついてくるだけでなく不動さん不動さんと、用もないのに俺の名前を呼ぶ。正直言って迷惑極まりない。
 ついさっきだって、「なんだお前の子供か?」とか風丸に言われてなわけねぇだろと返事をしたところだ。
 言っておくが、俺はまだ20代。こんなでかい子供がいてたまるか。
 もしいたらこんなに髪の毛が生えているはずがない。疲れて生えては禿げての繰り返しになるんじゃないか。

『不動さんってなんでそんな髪型してるんです?』
「お前には関係ないだろ」」
『関係ありますよ! 私は不動さんに惚れてしまったのです』
「ああそうかいガキはさっさと帰って寝てな」
『まだお昼です不動さん私はお昼寝をする年齢じゃないですよ』

 いつものようにいろいろとスルーして過ごす。やっぱり髪型は関係ないだろ。
 つかこいつ、学校はどうしたんだ? 普通の子供ならこの時間は学校に通ってるはず。なんか、行きたくない理由でもあんのか?
 まぁなんにせよ俺には関係ないことだが。
はぁ、ひとつ溜め息を吐いた。

「アイス買ってやるからさっさと帰れ」
『子供扱いしないでくださいよ! アイスは頂きますが』

 ガキをガキ扱いして何が悪い。ちゃっかりアイスを貰おうとしてるくせに。
 近場のコンビニに入り適当にアイスを選び、さっさと買ってそれを名前に投げる。
 ほっ、とか言いながらそれを掴んだ名前の姿はとことんまでに子供らしい。
 ここで開けて食べようとしているところを見ると、やはり帰る気はないようだ。
 あーもう……円堂や鬼道君にでも押し付けたい。

120310



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