「いったたたたた痛いいたたいた」
『私の方がいたたたたいたいたた』
「一体何をしているんだ人の家で」
まず、霧野と名前がいきなり訪ねてきた。
「うおっ、腰がぁ!!」
次に、俺は何事かと思い二人を部屋に入れた。
『や、ちょ、霧野おおええええ』
そしたらこの現状だ。
俺の目の前で、目に見えない速さで、霧野がプロレス技を名前にかけたのだ。
仮にも、仮にも名前は女なのに……。
はぁと溜め息をついたら、足元の方から大事なことじゃないから二回言わなくていいうぐぐかがとなんとも言えない叫びが聞こえてきた。
なぜわかったんだ。
「あの、そういうのは外でやってくれないか」
『しっ、神童は私に死ねと申すのかげふぅっ!』
「お前現在進行形で死にそうだけどなぁぐきっていっ、いてて」
「そう言う霧野もな」
ぽろぽろと話しだした二人(主に名前)の話によると、外は頭がかち割れるから広い俺の家に来たんだとか。
いや、俺の部屋も柔らかいもので出来ているわけじゃないんだが。むしろフローリングだから頭がかち割れることに変わりはないぞ。
マットとか、芝生とかの方がいいんじゃないか?
しゃがんで死にそうな名前に言うと、
『ゴルァ霧野てめぇ殺す気満々じゃねぇかよぉぉえ!!』
「神童の家、神童の家、神童の家、芝生のどこがいいって聞いたとき、名前は神童の家がいいって言ったじゃないか」
「なぜ俺の家がそんなに多いんだ」
『うっそでぇ! 芝生なんて言ってなかっぎゃぁぁぁ』
「ちゃんと言ってたじゃないか……芝生……って」
『ちいせぇんだよこの女男』
駄目だ、このままじゃあ名前が死ぬ。どうしたものか。
そう考えたとき力尽きたのか名前をホールドしている霧野の腕から力が抜けた。
やっと解放された名前は、げっほげっほと咳をしている。
ああ、馬鹿なことを……。
しかし二人の目的はなんだったのだろうか。
まさか、こんなものをするためだけに来たわけじゃあないだろうし。そうだったら即刻追い出すに決まっている。
霧野は精一杯伸びをして、名前は大の字で寝ている。
そんな二人に疑問を投げつけた。
「で、本当の目的は?」
二人は顔を見合わせたあと、ぴったり声を揃えて「ジャーマン・スープレックス」と言った。
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