ふああ〜。

やべえ、昨日はゲーム遅くまでやりすぎたわ、とノクトはあくびをしながら城内を歩いていた。時刻は既に午後を回っている。誰も起こしに来なかった、ということは、イグニスも今日は別件で出掛けているのだろう。

昼飯なにか残ってるといいな、と考えながら、何気なく、父親であるレギスの部屋の前を通りすぎる。そのときだった。中から、とんでもない会話が聞こえてきた。

「い、いけません…!レギス様…!」
「ふふ、そう照れるな。私とお主の仲ではないか」
「で、でも…」

ん!?通りすがるだけの予定だった部屋の前へ慌ててかけ戻る。無意識に足音はころしていた。今のは親父の声と…、なまえ?

一瞬だけだが、聴こえた内容に胸がざわめく。まさか、そんなーーー

それからの声は扉の前で唖然としていても、よく聴こえなかった。ノクティスは居てもたってもいられなかったので、扉の隙間に耳を押し当てると声が聴こえてきた。

「さあ、こっちへ…」
「う、なんだか、恥ずかしいです…」

恥ずかしい!?恥ずかしいって…なんだ?あのなまえが恥ずかしがる…だと?そんな、恥ずかしいことをするのか…と知らず息を飲み、成り行きを見守った。

するとしばらくしてから、吐息が聴こえ出す。それは、どことなく鼻にかかったように甘く、堪えるような響きだった。

「っ……ぁ、……はぁ」

驚いて思わず「うわ」と言いそうになった口を抑えた。まじかよ、なまえってこんな色っぽい声出るんだ…じゃなくて!い、一体何を考えてるんだ俺は!とノクトが頭を振っていると、レギスの声が聞こえてきた。

「もし良かったら、声を出しても大丈夫だが」
「い、いえ…こんなことしてるのが、他の人にバレたら…」

こんなことって一体どんなことだよ…!!と叫びたくなる気持ちを必死にこらえた。すると、次の瞬間なまえの声が少し大きくなって、思わずビクッ、と身体が跳ねた。

「あっ………ん、…んんっ」
「ああ…いけない。ここは随分と固くなっているな」
「んっ…、や、レギス、様っそこはっ」

これはもう間違いない。完全にアウト。アウトの中のアウトに違いない。知らず、ノクトは作った拳を握りしめる。

この中にいるのは父親だし、相手は自分に支えてくれている女性だ。しかもちょっと、ちょっとだけ気になっている存在なのに。止めるとしたら誰がやる。俺しかいねえ!!

と、ノクトは自身を鼓舞し、覚悟を決めた。

「お、おおおお親父!真っ昼間っから何してやがる!」

バァンと扉を開ける。するとーーー



「あ、ノクト!」
「ああ、ノクティスどうした、そんなに慌てて…」

なまえの肩を揉んでいる父親、レギスがいた。ノクトは3秒くらい固まったあと、頬を勢いよく染めながらこう言い放った。

「もういい!もうなーーんも心配しねえ!!」

そのまま、またバァン!!と扉を締めた。くそっ、と悪態をつきながら熱い頬を腕で隠しながら廊下を走り抜けた。なまえの甘い声が、まだ耳に残っている気がしてどうしても落ち着けなかった。

一方その頃、レギスとなまえは。

「どうしたんだ、あんなに怒って…」
「きっと複雑なお年頃なんですよ、そっとしておいてあげましょう…」

いきなり現れたノクティスがどうしてあんなに怒っていたのか検討がつかず、二人で首を傾げあっていた。「お父さんをとられて嫉妬したんだろう」という結論になったことをノクティスが知るのは、もう少し先の話。







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2017.0219
知らずラッキーすけべ(?)に巻き込まれるノクティス。ムッツリ王子ですみません…ムッツリなノクティスかわいいよ…


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