※生存院は財団に勤務している。


蛍光灯の光を受けててかてかと光る紺色の化学繊維の生地。くしゃ、と丸められた状態の物をデスクの上で広げればそれは完全に姿を現した。思わず唾を飲み込む。

「スクール水着、最高じゃないか…!」

心の中だけに留めて置く筈が声に出た。きっと今の自分はさぞかし下心に溢れた男の顔をしているに違いない。法悦に浸りながらも右手をデスクの一番上の引き出しへと伸ばして、目線を水着に合わせたままで油性ペンを取り出した。これを買った時に一緒に付いてきたゼッケンはこの前夜なべして縫い付けたから今日はそこに名前を書かなくてはいけない。

「か、きょ、う、い、ん」

敢えての平仮名で、敢えての自分の名字をそこに書き込んでこれを着用する彼女を思い浮かべた。恍惚の溜息をつけば思わず我慢が出来なくなってメガネを外してから、彼女に抱き付くようにスクール水着へと頬擦りする。ああ、意識して口を閉めないと涎が出そうだ。

「花京院、何してる」

聞き慣れた声が頭上から響いて思わず弾かれた様に顔を上げれば、あの独特の緑色の瞳が自分を不思議そうに、呆れた様に見つめていた。

「承太郎…ッ!い、いつからそこに居たんだい…ッ?」
「『スクール水着、最高じゃないか』ぐらいからだな」
「ほぼ最初っから居たんじゃないか!君ってばノックもせずに入ってきて…!」
「ノックならした。けど返事が無かったから入室したらお前がスクール水着見てニヤニヤしてたんだろうが」

これを渡しに来ただけだ、と言いながら承太郎は数枚の書類をデスクの上に置いた。思わず水着を隠すが今更そんな事をした所でもう遅い。しんと静まり返った部屋ではどちらも言葉を発さない。何だこの充満する重い空気は。

「…」
「…」


そしてその雰囲気に負けたのは自分だった。

「じょ、承太郎にはわからないさ!ぼくみたいにずっと二次元に入り浸って、もう三年もすれば30歳で、このまま魔法使いになるんだろうか、なんて思っていた人間の気持ちなんて…。スクール水着や、後は例えば体操服にかけるぼくの情熱なんて…ッ!」

一気にそこまで喋ってからはあはあと呼吸をすればゆらりとあの緑色が揺れる。

「お前、体操服も持ってんのか」
「ち、違ッ!それは"まだ"買ってない!」

あっ。思わず自分の口を手で塞いだ。完全なる墓穴を掘った。目は口ほどに物を言う。何だか自分があの真っ直ぐな緑色に攻め立てられている、気がした。




とてつもない労力を使った気がする。よろよろと玄関の扉を開ければぱたぱたとなまえが駆け寄って来て、溢れ出る可愛さに思わず唇を噛み締めた。

「おかえりなさい」

ただいま、と返してからその唇に軽く自分のを合わせてから頭を撫でればなまえが照れた様子で伏し目がちになった。幼な妻。エプロン姿のなまえを見てそんな単語が思い浮かんだ。何と云う心に響く言葉だろう。

しかしながら言っておくがぼくは別にロリコンでは無い。例えなまえの見た目が中学生くらいに見える童顔だろうと、身体の成長具合、その、つまりは胸だって平均より控え目な膨らみだろうとぼくは断じてロリコンでは無い。なまえに「し、下の毛が殆ど生えないのがコンプレックスなんです…っ」なんて初めて夜を共に過ごす時に言われ、心の中で高らかな勝利宣言をした訳だがそれでもぼくはロリコンでは無い。

「花京院さん?」

不思議そうに覗き込んで来たなまえの大きな瞳とぶつかった。何となく考えている事が見透かされている気がして冷や汗が背中を流れる。違う、つるぺたの事なんてぼくは考えていない。ぼくは無実だ。

「もしかして疲れてる?先にお風呂にしますか?」

その言葉に吐息を洩らす。ばれてない。良かった。疲れていたのは事実だがなまえの顔を見てそんな疲労感もすぐに何処かに吹っ飛んでいった訳で。すぐに否定の言葉を口にしようとしたけれど実際に言葉として発される事は無かった。待てよ、これを一つの口実に出来るんじゃないか。急にそんな考えが思い浮かんで、例のスクール水着が入った鞄を右手で握りしめながら我ながら妙案だと口角を上げる。

「今日は少しばかりいつもより疲れているんだけれど」
「あ、やっぱり。じゃあ、先にお風呂…」

浴室へと向かうなまえの細い手首を掴めばどうしたの、とあの瞳がぼくを見上げる。戸惑ったままの彼女の目の前に鞄を見せてから実際の感情以上に大袈裟に表情を作った。少し芝居じみたかもしれない。それでもきっとなまえはぼくのお願い聞いてくれるよね?




「ほ、本当にえっちな事は無しですからね…っ」

案の定スクール水着を見て嫌だと首を振ったなまえだったけれどぼくの為にお願いだと頼み込めば渋々その要求を飲みこんでくれた。しかし「えっちな事はしない」という条件付きで。えっちな事はしてはいけない…、えっちな事は…。頭の中でその言葉をぐるぐると巡らせながら腕の中へとなまえを収める。

つるつるとした独特の手触り、水着を着た事でより一層わかるその控え目な膨らみ、小さなお尻。悶絶死するかと思った。スクール水着をこんなに着こなせる20歳が一体何処にいると言うんだ…ッ。

忘我の表情を浮かべたままで思わずなまえの胸へと頬擦りする。少しばかりの膨らみがふかふかして気持ち良い。頭上から可愛い声も聞こえるし最高じゃないか。本当ならば髪も結ってあげてツインテールでも良かったかも、なんて思ったけれどそれは体操服プレイの時までに取っておこうかと思う。

「か、花京院さん…っ」
「典明、だろう?いつになったらぼくは"花京院さん"から卒業出来るんだい?」
「の、典明……、さん」

さんはいらないのに、なんて思いつつもいつまでも初々しい彼女を想って軽い微笑を口元に浮かべる。いくら7歳差だからって恋人同士なのにいつまで経っても敬語は抜けないし、ぼくの事だって名字呼びだし。まあそれもこれからゆっくりと抜けて行けばいいかな、なんて思いながら頬はなまえの胸へと擦り付けたままで。

「…っ、ふ、ぁ」

零れた甘い声に思わず顔を上げればなまえがしまった、とばかりに両手で口を塞いでいた。頭に少々の疑問符を浮かべれば水着越しに二つの膨らみの頂点がぷくりと主張している事に気付く。恥辱の感情でいっぱいになっているなまえと主張する二つの頂点。見比べれば自ずと表情が崩れてしまうのは仕方が無い。まさか頬擦りの刺激だけでこんな風になるなんて。そりゃあ生地が薄い水着だけれども自分から「えっちな事は無しです」と釘を刺した癖に。にやりと擬音が付きそうなくらいに自分の口元が弧を描いている自覚はある。

「なまえ、これは一体何?」

指先で水着の上から主張している部分を摘まめばなまえの身体がびくんと跳ねて、同時に小さな手で自分の着ているシャツを握られる。

「あ、あ、典明さん…っ。ご、ごめん、なさい…」
「ごめんなさいじゃなくて。これは何?って聞いてるんだけどな」

攻め立てるように顔を覗き込んで、指で摘まんだり扱いている内になまえが切なげに太ももを擦り合せる。水着の上からの刺激だけじゃ物足りないようなので肩紐の部分を降ろして胸までを露出させる。この中途半端な感じが堪らなくそそる。ぼくに言わせれば完全にコスチュームを脱がせるなんてナンセンス以外の何物でも無いからね。

抵抗らしい抵抗も見せずになまえはぼくの腕の中で言い知れぬ羞恥の情に駆り立てられていた。伏せた瞼に添えられた睫毛がふるふると震えている。

「君の言う様なえっちな事はしたつもりが無いんだけど。それなのにどうしてなまえがこんなになってるのかぼくに教えてくれないかい?」

色付く胸の先端を指の腹で直に捏ねてやるとその度になまえがびくびくと身体を震わせる。困ったように眉を下げて、それでも快感に耐えるその顔はぼくの中の男を刺激した。本当は今すぐにでもその小さな身体を組み敷きたいけれどもう少しだけ彼女を苛めたい、なんて。

「の、典明さん、が…っ。頬擦りしたから…っ」
「それだけで?」
「ごめ、なさい…」
「頬擦りされただけでこんなにして。なまえはえっちだね」

まあそんな所も好きなんだけれど。言い終わるや否やなまえの膨らみの先端を口に含めば本格的に甘い嬌声が漏れ出す。胸は小さい方が感度が良いって言うけれどなまえはこうやって胸を攻められるのが特段弱い。まあ自分は彼女以外の女性と経験が無いからその俗説が本当かどうかは確かめようが無いんだけど。

「は、あ…っ。あ、あ、だめっ。そんなにしちゃやらぁ…っ」

片方は歯を軽く立てて甘噛みして、もう片方は指できゅうと強めに摘まめばなまえが耐えられないと言った様に身体を捩じらせた。小さな幼い身体を弄られて、それでも女の反応を見せるそのアンバランスさがとてつもなくぼくを擽る。水着の上からそっと割れ目を撫でれば指にぬるりとなまえの愛液が纏わり付いた。

「あ、典明、さん…っ。そこは、ぁ…っ」

そっと手を押し返そうとするけれどまるで力が入っていない。本当はもっとして欲しいって合図な事もわかっている。ちゃんと弄ってあげるけれど、でもその前にどうしてもしておきたい事がある訳で。

なまえの大事な部分を覆っている生地を上へと引っ張れば其れは割れ目へと食い込む様に姿を変える。なまえの柔肉に食い込む水着。こんな光景はエロ同人かエロゲーでしか見た事が無いのにまさか三次元で見られるなんて…ッ。最早ぼくはこの時点で興奮の絶頂にいた。そのままぐいぐいと水着を引っ張ればその度に声を洩らして肝心な部分の生地ははすっかりなまえのせいで色が変わってしまっている。

「や、やめてくらさい…。引っ張っちゃだめ…っ」
「ああ、ごめんごめん。今、直接触ってあげるからね」

生地を横にずらしてからなまえの割れ目に指を宛がうと簡単に中へと埋め込まれてしまう。それにしても毛が殆ど無いって言うのは凄く良い。さっきみたいに水着とか、或いはブルマを食い込ませても凄くサマになるし、何よりこうやってぼくの指や自身が出し入れされるのがダイレクトにわかるのも良い。更に指を増やせばなまえの其処から水音が響き出す。指二本でもこんなに簡単に入るのならもう一本くらい増やしても…。

「ひ、ぅ…っ。ん、あ…っ。のりあき、しゃん…っ」
「流石に指三本はきついかな」
「あ、あっ!だめ、だめ…ぇ!かき混ぜるの、らめ…っ」

なまえがだらしなく口を開けて声を洩らして、幼い身体からぐちゃぐちゃと音を響かせる度に自分自身が脈打つのがわかる。何かもう、ここまできたらロリコンでも良いかな、なんて思う自分もいたりして。自嘲気味に少し笑いを零してから空いていた手でなまえの肉芽を撫でれば中に入れていた指がきゅうと締め付けられる。

「そこ、一緒に触っちゃやです…っ。典明さん、だめ、いっちゃうから、ぁ…!」
「ん、良いよ。一回指でいっておこうか」

がくがくと足を震えさせるなまえに宥める様にキスをしてから肉芽を撫でていた指を擦り付けるように力を込めれば中が大きく畝って、それから埋め込まれた指をきゅううと強く締め付けた。

「っあ、あ!らめ、いっちゃう、いっちゃうの…っ!あ、あ、あ…っ!」

なまえが大きく跳ねたかと思うと自分の手が彼女の其処から勢い良く溢れ出した液体で汚されていた。床に敷かれたマットまでぽたぽたと濡れてしまっている。

「凄いね、まるでお漏らししたみたいだ」
「あ…。ごめん、なさい…」
「とりあえずお風呂で綺麗にしようか」

なまえを抱え上げてから浴室へと向かう。浴室でしちゃえば色々後片付けも楽そうだし。何がってまあナニなんだけど。ああ、どうしてぼくは水着と一緒に体操服も買わなかったんだろう。とりあえず今日ネットで購入するけど。届くまでが待ち遠しくて堪らない。

今度はツインテールにしてあげるからね。そんな意味も込めてなまえの頬に口付けを落としてからぼくは彼女と一緒にお風呂に入るべくそっとメガネを外した。



20150719

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