※黒ストッキング大好き露伴先生。
拍手小話の続き。
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柔らかな太ももに触れてから二度三度、掌を往復させてみれば普段とは違うざらざらとしたざらめのような感触が伝わる。実に素晴しい感触である。其れだけでは無い、視覚的にもそれはぼくを満足させる。フルヌードよりも何かを纏っている方が色っぽく見えるというのはぼくだけじゃなくて男全般のエロティシズム論だとは思うが、この場合もそれに近いと思う。隠していながら薄い科学繊維のせいでうっすらと透けてしまう素肌という物には何故こうも擽られてしまうのか自分でも説明出来ないが、これを目にして存在を無視できる男なんてぼくに言わせればそんな奴男では無い。惚悦の溜息をつきながら太ももを撫でていると、ふと、不思議そうにそれを眺める大きな目と視線がぶつかった。

「露伴先生、黒ストッキング嬉しいですか?」

それは愚問だろう。そもそも嬉しくなければ「黒ストッキングを穿いてくれ」なんていう懇願はしない。まあいつもの彼女の制服姿と紺のソックスという恰好も中々学生らしさを前面に押し出していて嫌いではないのだが。膝の上に乗って脚を放り出しているなまえの太ももからふくらはぎにかけて、つう、となぞる様に触れば擽ったいのかぼくの胸の中で身を捩じらせる。

「おい、暴れるなよ、なまえ」
「ふふ、だってくすぐったいですもん」

無邪気に笑うなまえに反して自分の中の邪な気持ちがどんどんと大きくなる。大体、この体制だって如何な物かと思う。対面式でぼくに跨る彼女のこの体制はまるで行為の最中のようじゃないか。どうせなまえにとってはただの甘える行為にしかならないのだろうが只でさえいつもより昂っているぼくにとってはそれを増長させる事にしかならない。天然というか無意識というのは怖い、とつくづく思う。

「なまえ」

目で膝から降りろ、と訴えると大人しく膝からソファの上へと座る位置を変えたなまえはもう終わりですか、なんて言っているがこんな物で終わる筈が無い。ソファの上でぼくを見ながらぺたんと座り込むなまえの足首を持ち上げれば彼女は体制を崩して後ろへ倒れ込んでしまったがまあソファの上だ、衝撃も少ないだろう。

「びっ、くりしたあ…!…あ、パンツ見えちゃうっ」

ぐいぐいとスカートを引っ張るなまえだが今更もう遅い、ばっちり見てしまった。ストッキング越しに透ける下着というのも中々乙な物である。だが今のぼくにとって欲の対象となるのは下着では無くストッキングだ。もう一度、太ももからふくらはぎまでその感触を覚えるように掌で撫でてから唇を近付ければなまえがびくり、と跳ねた。

「あ…っ、露伴せんせ…?…ほんとに頬擦りするの…?」
「そんなの決まってるじゃないか。」
「う…、じゃあ、あの、やっぱり恥ずかしいから、ちょっとだけにして下さいね」

まあちょっとだけになるように努力だけはしてみようか、一応だけどな。ストッキング越しに太ももに口付けてからそっと頬擦りしてみる。ああ、堪らないこの感触。このまま太ももに挟まれて死んでも悔いは無いんじゃないかと思う。ふるふると震える太ももに気が付き見れば恥ずかしそうに顔を赤く染めるなまえがいた。先日、黒ストッキングを穿いてくれたら嬉しい、と伝えると「露伴先生が喜んでくれるなら」とはにかんだ彼女の何たる健気さか。今もぼくが喜んでいるから、という理由で羞恥に耐えているに違いない。片方の脚を撫で回してからもう片方の太ももに齧り付けばなまえは驚いたように目を見開いた。

「ろ、露伴先生っ!」

止めてください、と訴えるなまえは口ばかりでぼくを止めようとはしない。日本人の身上は察しと思いやりだって誰かが言ってたけど本当不便だよな。この場合も口で嫌がるだけで本心は満更では無い、って所だな、多分。という事でぼくは行為を続ける。撫で回す手を太ももから更に上の部分へと伸ばす。曲線を描いた柔らかなその部分を触りながらも、もう片方でふくらはぎを撫でればなまえからくぐもった声が聞こえる。

「…ん、ぅ…、はぁ…っ」

声が漏れるのが嫌なのかなまえは指を噛んで耐えているようだった。その内、ぼくと目が合うと小さな声で「ろ、はん、せんせ。も、やめて下さい…」と呟く物だから早々にぼくの理性は何処かへ吹っ飛んでしまった。何だその煽る行為は。最早ぼくを誘っているとしか思えない。自然と呼吸が荒くなるのが自分でもわかるぐらいに興奮している。

「なあ、なまえ。このストッキング幾らだった」
「え、えっと、」
「この手触りからして一つ350円とかのだろ?」
「ん…、多分、そう、です」
「そうか、だったら350円は後で弁償するから良いよな?」
「え、え、え?」

まるでぼくの言った意味を理解出来ていないなまえの頭を撫でてからもう一度太ももに触れる。脚を覆う薄い生地は少し爪を立てるだけで容易にぷつ、と穴が開く。

「え、露伴先生っ。何、してるんですかっ」

上体を起こしてぼくの手を拒む辺り今回は本当に止めて欲しいらしいが残念ながらぼくにはもう理性という物が殆ど残っていないので止める事等出来ない。何かまだなまえが言っているのが聞こえるがそれは無視してそのまま開けた穴に指を入れて力任せに左右に引っ張ればこれまた容易にストッキングは破けてしまった。

「っあ、ぅ…っ。せんせ、ひど、い…っ」
「だから弁償するって言ってるだろ」
「先生、もう破っちゃ駄目です…っ」

ビリビリと響く音が心地良い。所々破れて素肌が垣間見えるこの姿が酷く興奮する。黒いストッキングから見える白い素肌だとか、或いは下着だとか。相変わらず羞恥に紅く染めた頬だとか、その涙を溜め込んだ瞳だとか。

「まるで今から犯されるみたいだな」

まあ犯すんだけどな、なんて自嘲の笑いを浮かべながら柔肉に触れるとぬるりとした感触が下着越しに指に伝わる。拒否の言葉しか言わない割にここは素直だよなあ、なんてB級官能小説にありそうな台詞が頭に思い浮かぶ。ぐりぐりと指で刺激をしてやればぼくの服を掴みながらなまえはびくびくと身体を震わせた。

「あ、あ…っ、露伴せんせ、いや、いやです…っ!」
「そーいう割には濡れてるんだよなァ」
「ちが、あっ、ぬれて、なんか、ない、もん…っ」
「ほーう?なら確かめてみるか」

そのまま抵抗するなまえの上体を無理矢理倒してから足を広げて下着をずらせば其処は十分に潤っていた。これを濡れていないと言うなら一体何をそう言うんだ?そのまま指で割れ目を拡げてからふう、と息をかければ泣きそうななまえの声が聞こえた。

「ろは、せんせ…っ、見ちゃやです…っ」
「なぁ、なまえ。今日君は嫌だ、とか駄目だ、とかしか言ってないぜ?」

しかもその殆どが本心では嫌がっていない(と、思う)ってのがまた面倒だ。気持ち良いなら気持ち良い、と言ってしまえば良い物を。拡げたままの其処に顔を近付けるとそのままぺろりと舐め上げれば大きくなまえの身体が跳ねた。

「先生…っ、きたない、から、やめて…ください…っ!」
「…嫌だね」
「おねが、いっ、いっぱい、汗かいて、きたないか、ら…っ」

ぼくを剥がそうとぐいぐいと頭を掴んでいた両手は舌で蕾を重点的に攻めると、最早快感に耐えるかのように髪を掴むようになっていた。そのせいで前髪がかかって邪魔だが、なまえの甘い声と目前に見える厭らしい部分と、更に破けたストッキングを身に着けたままの太ももに顔を挟まれてぼくはまさに夢見心地だった。

「ん…っ、あ、あっ…、も、むり、です…っ!…〜っ、…せんせ…ぇ…っ!」

一層力強くぼくの髪を引っ張ってからぐったりとしてしまったなまえを見るとどうやら達したらしい。見れば先程まで可愛がっていた其処は最早ぼくの唾液なのかなまえの愛液なのかわからないぐらいに濡れてぐちゃぐちゃになっていた。

「この様子だと慣らさなくても良さそうだな」

そう呟いてもなまえの耳には聞こえていないようだ、それを良い事に張詰めていた自身を取り出してからそっと宛がってからゆっくりと中へと押し進む。ぎゅうぎゅうとなまえの中が絡み付いて熱い、流石に慣らさずに挿入はきつかったかもしれない。気遣う様に組み敷いたなまえを見ればそんな心配は無用、と言う風に彼女もまたぼくの熱に浮かされているようだった。

「は、あ。…なまえ、動くぞ」
「あ、露伴先生…っ!あ、あっ、もっ、と、ゆっくり…して…ぇっ!」

それは無理な話だな、なんて意味を込めてなまえの唇に口付けてみるがきっと伝わっていないだろう。口付けしたままなまえの舌を自分の口内に引き摺り込んで絡ませながら、腰も動かせばその内二人とも融けて一つになってしまうんじゃないかと思うぐらいの感覚に陥る。

「ひ、ぅ…っ!せ、んせ、せんせぇ…っ!」
「なまえ…ッ」

伸ばされた両手に応えるように額に唇を落としてから腰の動きを一層早める。今日はいつもよりも限界が早い気がする、理由も何となく自分でわかっているが。最奥まで腰を打ち付ければなまえはぼくの名前を呼びながらもう一度達してしまった。ねっとりとそれでもきつく締め付ける肉壁に耐えつつも二、三回腰を動かしてからぼくも限界を迎えた。急いで中から引き抜いて太ももにどくどくと掛かった白濁を見て、黒ストッキングに白い液は映えるよなァ、なんて事をぼうっとした頭で思った。

もうすぐ春が来て温かくなってしまえばもうこのプレイは出来ないよな、なんて思いながら掌でストッキングの感触を確かめる。彼女がぼくを想って願いを叶えてくれたからこそこの行為が実現した訳で、その深い愛に酔い痴れると共に二人の絆も確かめ合えたという訳だな。なまえの手に自分の指を絡ませて今からさぞ甘いピロートークが始まる事だろう、と期待したぼくだったがそれは見事に裏切られその後、なまえには暫く口を聞いてもらえない日々を送るのであった。


2015/03/07

ALICE+