※ヤンデレ。
露伴がとてもきもちわるい。


「露伴先生…、あの、今日はそのまましても良いですから…」

ベッド脇へと手を伸ばすぼくにおずおずとなまえが口を開いた。赤く上気した頬に熱を籠らせたその表情、先程まで部屋中に響いていた嬌声を聞いてぼく自身はこれ以上ない位に主張していた。そして指で散々弄られたなまえの其処はひくひくとぼく自身を求めて収縮を繰り返す。そろそろか、と見計らって避妊具に手を掛けようとしたぼくへの一言だった。

それはつまり今日はいわゆる"安全日"だから避妊具を付けなくても良いですよ、という意味だろう。普通の男ならその言葉に喜んで「はいそうですか」とそのまま挿入したに違いない。正直、その言葉に自分の心が揺れたのも事実。けれどもぼくは一度止めた手を更に伸ばして避妊具を取り出して封を開けた。

「露伴せんせ…?」

どうして、となまえの瞳が戸惑いで揺れていた。彼女に顔を近付けてこれ以上無い位に優しい声で囁く。

「なまえ、幾ら安全日と言っても避妊率は100%じゃないだろう?下半身で物事を考える猿ならその言葉を喜んだだろうがぼくは違う。ぼくは君との付き合いだって真剣だし、何より君のその身体が心配なんだ。…こういうのはちゃんと籍を入れてからにしよう」

そう言って軽く口付ければなまえは素直に「はい」と頷いた。素直な彼女はとても愛らしい。本来ならぼくだって今すぐ何の隔たりも無いままでなまえと繋がってしまいたい。そして自分の欲望を思う存分中へと出してしまいたい。それでもぼくにはそれが出来ない理由がある。

「なまえ」

先端を宛がえばなまえがこくりと喉を鳴らした。いつ見てもその表情は良い。自分でぼくに犯される事を望みながら経験が少ない彼女はこういう行為に少しばかりの恐怖感を抱いている。ああ堪らない、今すぐぼくが汚してあげよう。

何の躊躇も無く腰を打ち付ければなまえの華奢な身体がぼくの下で撓る。呼吸も侭ならないなまえの小さな膝に唇を落としてから自身が全て埋められた事を確認する。足を広げて薄い陰毛を掻き分ければ赤く充血した粘膜が自分自身を根本まで受け止めていた。視覚的にこれ以上無い位の厭らしさだと思う。ぎりぎりまで引き抜いてからもう一度奥深くまで突き刺す様に動かせばなまえはただひたすら悲鳴染みた声を上げる他無かった。

「ひぅっ、あっ!露伴、先生…っ、あああっ!」

腰を動かしながら粘膜の上の方の肉芽を指で擦ってやれば一層なまえは反応を大きくした。なまえの弱い所はこれでもかというくらいに熟知しているつもりだ。

「ら、めっ、そこいやあ…っ!」
「ンン〜?好きだろ?こうやってクリトリス弄られるの」
「やらぁ…っ!やなのぉ…っ」
「……じゃあやめるか?」

そのままぴたりと腰と指の動きを止めれば再びなまえは戸惑いの表情を見せる。「どうして」と口にしないのは自分が「嫌だ」と言ってしまった事をわかっているからだ。戸惑いの表情は浅く緩く腰を動かせば次第に切なげな表情へと変化する。

「あ…、ろはんせんせぇ…」

何か言いたげななまえは困ったようにぼくを見上げるが敢えてわからない振りをする。彼女の本意など勿論わかってしまっているが。

「どうかしたか?」
「それだけじゃ…切ないよぉ…」

おねがいだからぁ、と続きをせがむなまえの其れはお強請りだった。けれどもそれじゃあ足りない。せっかくならもっと直接的な言葉でせがんで欲しい物だ。

「どうして欲しい?」

意地悪く口角を上げてくるくると乳輪をなぞってから軽く先端に触れる。くにくにと指で扱いてやればまたもやなまえは声を洩らすがこれぐらいで達せないのは彼女もぼくも理解している。これは完全な焦らしだ。

「…あの…、さっきみたいに、いっぱい動いてくらさい…」
「腰を動かすだけ?」
「ん、ぅ…あと、は…。ゆび、でさっきみたいに、さわって欲しいです…」
「何処を?」

泣きそうな表情のなまえは其れだけで魅力的だった。眉毛を下げて羞恥に耐えて、それでも快感を貪る本能には勝てずに揺らめくその瞳が酷く色っぽいと思う。

「なまえ、ぼくの指で何処を触って欲しいんだ?」
「あ、あ…、露伴せんせぇのゆびで…」
「ぼくの指で?」
「…くりとりす、さわってほしい、です…っ」

言った瞬間になまえの中が軽く収縮をした。前から思っていたがどうも彼女はマゾの素質があるようだ。恥ずかしい事をさせればさせる程身体は快楽を感じてしまう。全く以て堪らないな、君は。

なまえの直接的な言葉に酷く満足した僕は再び腰を打ち付け始め、強請られた通りに親指で再び肉芽を擦り付ければ先程以上になまえは身体を反応させた。ひたすらぼくの名前を呼びながら濡れた声を洩らすなまえの中がひくひくと大きく収縮し始める。ああ、どうやらもう終末のようだ。如何せん残念だが、今日は可愛いお強請りが見れたのだから良しとしようか。「露伴先生」と伸ばされた手に指を絡ませてから一層強く腰を打ち付ければなまえは身体を大きく震わせる。少しだけ遅れたタイミングでぼくも避妊具の中へと欲を吐き出した。









あの後暫くベッドで微睡んでからなまえは自宅へと帰っていった。小さな背中を見送ってからガチャリと玄関を閉める。さあ、ぼくにはまだまだやらなければならない事が沢山あるんだ。


寝室へと戻ってベッド下へと手を伸ばす。確かこの辺に置いた筈だと手探りで視界の悪い場所を探ればすぐに目当ての物は見つかる。案外高かったんだよなァ、これ。さて値段相応の働きをしたか確かめてみようじゃないか。MD機器の録音ボタンを押して録音を停止させてから適当に巻き戻して再生すれば先程までのなまえの嬌声が流れた。ふーん、案外悪くないかもな。なまえに直接的な言葉で強請らせた甲斐があったと頬を緩める。あとは上手い具合にパソコンに取り込んで編集すればもっとどうにかなりそうだ。なまえの可愛い声を録る為だけに購入したMD機器なのだからもっと使い方を学ばなければなるまい。一先ずMDを取り出して「○月×日」と今日の日付を書いたシールを貼っておく。これからなまえの声のコレクションも増えるだろうから増え行くであろうMD達の置き場所も考えなければ。

さて次は。ゴミ箱へと手を伸ばして先程捨てた避妊具を取り出す。口を縛らなかったので中身が出てしまっているが所詮自分の精子に何の興味も無いのでどうでも良い。そっと触れれば未だ湿っている避妊具をぺろりと一舐めする。中身は自分の物だが外側に関してはなまえの分泌液なのだ。勿体無いよなァ、こんな物を捨てておける訳が無い。間違って自分の精液に触れないように摘まみながら避妊具を口に含めばゴム臭さの中になまえの味を感じた。先程出したばかりだと言うのにこれだけでまた勃起してしまった。如何せん20歳という年齢は性に盛んな時期なのだ。再び猛る自分自身へと手を伸ばして避妊具を舐め回せばあっと言う間に射精してしまった。とりあえずこの避妊具も取って置かなければいけない。

一度自分を落ち着かせてからベッドへと向かう。真っ白なシーツに長い髪の毛を見つけてそっと手に取る。この長さと細さ、そしてこの黒い髪の毛は間違いなくなまえの物だ。根本まで口に含んでつう、と出せば自分の中がなまえで満たされていく気がした。ああ、またちょっと自身が反応している。我慢しなければ。

どうせならとなまえの陰毛が無い物かとシーツを血眼になって探したが見つからなかった。まあ彼女は人よりも薄いみたいだから仕方ないか。何なら今度は剃毛させて陰毛を手に入れるというのも良いかもしれない。その代わり、と言っては何だかシーツに染みになっている部分を見つけた。これは、と思った瞬間に身体は既に動いていた。鼻を近付ければなまえの分泌液の香りがした。我慢して堪えていたのに今度は無理そうだ。舌で染みを舐め取りながらおもむろに自身を取り出して扱けばこれまたあっという間に果ててしまった。シーツの替えはあまり持っていないがこれも取って置くに越した事は無い。なまえの匂いがついたシーツをベッドから外すとぐしゃぐしゃと丸めて小脇に抱えてぼくは作業部屋へと向かった。




今日の収穫はなまえのお強請り声が入ったMDとなまえの髪の毛。それに精液付きの避妊具となまえの匂いのついたシーツ。あとは食べかけのお菓子のクズも取っておこうかと思う。なまえが口を付けたからこれにも唾液が付いているだろうしな。

避妊具は中身だけを綺麗に洗って小さな透明な袋に入れた。シーツはなまえの匂いが強い部分だけを切り取った。髪の毛とお菓子のクズもそれぞれ袋に入れる。

アルバムを開いて「○月×日」と書き込む。「今日はなまえが直接的な言葉でぼくにお強請りをしてきた。やはり彼女は羞恥を気持ち良いと思う素質があるようだ。そっちの方に特化したプレイをするのも悪くない。それとなまえの陰毛が欲しいので近々剃毛をしたい」そこまで書き込んでから袋に入ったなまえの欠片達をアルバムに張り付けてシーツの切れ端も余ったスペースへと貼り付ける。ぺらぺらとページを捲れば今までのなまえとの思い出が沢山綴られている。この日なんかは一日に三回もセックスしたんだよなあァ。避妊具が三つも貼られている。

「露伴先生大好きです」なんてなまえは言うけれどきっとぼくの方が君を愛していると思うね。なまえの全てを取っておきたくて、全てを記憶しておきたくて、君とのアルバムが4冊目に突入したと知ったら君は驚くだろうね。「露伴先生にそんなに愛されて嬉しいです」って何なら感動の涙を流すかもしれないな。ぼくに隅々まで愛されて嬉しいよな、なまえ。ぼくも君を愛せてとっても嬉しいよ。今日も君の寝顔を撮りに夜中に自宅にお邪魔しなくてはいけないな。部屋が二階だからって窓の鍵を掛けないのは如何かと思うが、よく考えればぼくの為に鍵を開けてくれていたんだろうか。なまえは優しいな。そんな事せずともぼくは君の部屋に潜り込む自信があると言うのに。

君の全部が知りたくて、全部が欲しくて、全部わかってあげたいんだなまえ。

だからきっとぼくの事も全部全部受け入れてくれるだろ?なあそうだろ?

それなのに、












ど、う、し、て、そ、ん、な、に、怯、え、て、い、る、ん、だ、い、?













「おはよう、なまえ。起こしてしまってすまないね。寝顔を撮りに来ただけだから気にせず寝ててくれよ」


20150629


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