※獣耳夢主で一緒にお風呂。

ぼくは猫が嫌いだ。あいつらは自分が一番って所があるだろ。嫌いなんだよな、そーいう奴。まああいつらは特有の勘ってのを持ってるから動物嫌いの人間には近付こうとしないんだけどな。

それなのにこいつは何故かぼくにえらく懐いて終いには家までついてきた。ぼくは猫を飼う気なんて毛頭無いぞ。そっと抱き上げて身体を見る。どうやらメスのようだ。首輪をしていない所を見ると野良のようだが、その割には随分と毛並は良いし痩せ細ってもいない。まあ人懐っこいし何処かで可愛がられていたんだろう。

「おい、帰れよ。家になんて入れてやらないぞ」

そう言ってそっと地面に降ろしてもここから動く気配は無い。参ったな、全く。溜息をついてから空を仰げば何やら雲が灰色を描いていた。…今晩は雨が降ると言っていたな。今朝のテレビの中での気象予報士の言葉を思い出しながらもう一度足元に鎮座する猫に目線をやる。やっぱり動く気配が無い。

「…今晩だけだぞ、全く」

そう、一晩だけのつもりだったのだ。本当にその時は翌朝になればこいつを解放してやるつもりだった。







それなのにどうしてこうなった。









図々しくもぼくのベッドに潜り込んできた猫は翌朝、一糸纏わぬ姿で人間になってぼくの隣で寝ていた。誰が頼んだか少女の姿でご丁寧に頭に猫耳、尻には尻尾までついた状態であった。願望が実現したとでも言うのか?馬鹿言うな、ぼくに「猫耳少女と同棲したい」なんて下らない願望は存在しない。そのへんの低俗な漫画じゃあるまいし。

最初は驚きつつもまあ漫画のネタになるか、と安易な考えで傍に置いていたのだがそれからあれよあれよと数か月がたち、今ではこいつと一緒に住んでいるのが当たり前になってしまった。ついでになまえとまで名前まで付けてしまった自分が自分で憎い。大体何でこいつは猫の癖に猫に戻らないんだよ、何で人間のままなんだ。取材に行くにも連れてけと煩いから一緒に歩けば運悪く仗助のクソッタレ共に見つかる始末。ああくそ面倒くさい。

「うっわ〜、本当に頭に猫耳くっついてるんっすねぇ」
「じょうすけ、くすぐったい」

気安くそいつに触るな、なまえはぼくのだぞ。さっきも言ったがそもそもなまえが猫の姿に戻らないのが悪い。せめて猫の姿のままだったらこんな面倒な事にもならなかったというのに。帽子が嫌だと道中でいきなり脱ぐのであればせめて猫の姿に戻れよ。

「だってこっちの姿のが露伴とおしゃべりできるよ。露伴のこと好きだからいっぱいおしゃべりしたい」

…ああ、そうかよ、そりゃどーも。













「なまえ、風呂に入るからこっちに来い」
「…やーもん」
「…おい」
「…やーもん」
「何回も言わせるな、ぼくを怒らせたいのか?」
「…あぅ…」

取材から帰ってすぐに風呂の用意をした筈なのに結局なまえがごねてすっかり時刻は夜になっていた。人間の見た目でやっぱり中身は猫らしい、水を極端に嫌がるようだ。それでも少し凄んで見せれば頭の耳はへにゃりと垂れてどうやら観念したらしい。そんな姿を見て少々可哀想だと思ってしまう自分は末期だと思う。

「……」

浴室に入っても未だ耳は垂れたままである。その表情も何だか浮かない。そんなに水が嫌いか。言っておくがそんな表情をしても(可哀想に思いつつも)風呂には毎日入れさせるからな。

「…水、きらいだけど、いたいのはもっときらい…」
「は?」

浴槽で向かいあったままでいるとなまえが小さく呟いた。少し俯いたままで唇を尖らせ時折浴槽に少し顔を埋めてはぶくぶくと空気を出している様はどう見ても不貞腐れている。

「なんだよ、髪を洗う時の話か?」
「…」
「シャンプーハット買ってやっただろうが。あれ付けたら目は沁みないだろ」
「…ちがうもん。露伴、この前いたいことしたよ…」
「……あ」

完全に眉毛をハの字にして泣きそうな表情のなまえを見て思い出した。そうだ、そうだった。それはなまえを風呂に入れた時の話であった。ふとした出来心だったのだ。なまえの身体がどういう作りになっているか疑問に思っての行為がたまたまエスカレートしただけで。……いや、嘘だな。正直、なまえの身体がどんな仕組みになっているか疑問に思っていたのも事実だ。けれども、目の前に全裸の少女がいて健全な男子が何も起こさない訳が無い。よくもまあ数か月間自分が我慢出来たと思う。全裸のままで無邪気に自分の名前を呼んで身体を擦り付ける猫耳少女だぞ?我慢出来るか?出来る訳が無いだろうが!

自分の欲の赴くがままになまえの身体を弄繰り回して、なまえもまた素直に感じる物だから余計に自分を止める事が出来なくなってしまった。ただ、ここでぼくは大きな計算ミスをする事となる。なまえが処女だったのである。そこまで細かく人間仕様だとは思ってもみなかった。結合部から鮮血が滲み、なまえが痛みに耐えて涙を流す姿を見てしまった、と思ったが20歳の性がそんな早急に収まる筈もなく結局ぼくはなまえの中で達してしまったのである。

「…今日もいたいこと、する?」

恐る恐るぼくにそう言ってなまえはまた唇まで浴槽に漬かってぶくぶくと空気を出し始めた。ぼくが今感じているのは罪悪感以外の何物でもない。

「…もう痛い事はしない。だから、ほら、こっちへ来い」

そう言って手を伸ばせばなまえは嬉しそうにぼくの胸元へと身体を摺り寄せた。くそ、この無邪気さが憎い。頭を撫でてやればゴロゴロと喉を鳴らす様は猫だ。けれど、けれども。白濁の湯の中で二つの豊満で柔らかな膨らみがぼくの肌にしっかり触れているのを感じれば感じる程、自分の中の男が痛いぐらいに反応してしまう。

「露伴、すきぃ」
「……」

何かがぼくの中で切れた。そうだ、なまえは痛い事が嫌いなんだろ?じゃあ痛く無かったらいいんだよな、そうだよな?そう思い付くや否やなまえの胸へと手を伸ばす。柔らかい。何だって猫の癖にこんなに発育状態が良いんだ、こいつは。

「にゃ…ぅ」

先程までぴんと立てられていた耳が再び力無く垂れる。元が猫なだけあって人間よりも一層動物らしいというか快感に従順な所が余計にぼくを煽る。片方の手でなまえの胸を触りながらもう片方でなまえの腰を抱えて自分の膝の上に乗せる。今まで白濁の湯に隠れていたなまえの胸が目前に現れて思わず喉を鳴らしてしまう。色素の薄い乳輪を指でなぞればその中心がぷっくりと主張し始めてまるで「舐めて下さい」と言っているようだと思う。我ながら都合良い解釈だと思うが性欲に駆られた男なんて所詮そんな物だろう。唾液を舌に纏わり付かせてからその中心を口に含めばなまえの身体が大きく跳ねた。

「あ、あ…っ、露伴っ、んぅ〜…っ」

舌で撫でて時折吸ったり甘噛みしたり。そうすればするほどなまえの蕾が固くなっていく。ちらりとなまえを伺い見ればだらしなく口を開けてただされるがままに快感を受け入れているようだった。

「なまえ、胸を吸われるのがそんなに気持ち良いか?」
「…ん、ぅ、きもち…ぃ、露伴…っ」
「じゃあこっちもしてやらないとな」
「にゃ、あ…っ、あ…ぅ、きもちぃよ…ぉ」

言いながらもう片方の胸の先端も口に含む。先程可愛がっていた方はすっかり自分の唾液塗れになっているのでそれを利用して指でも弄ってやる。舌で潰したり指で摘まんだりしている内にすっかりなまえは出来上がってしまっていた。はあはあと息を荒げるなまえの尻を撫でてからその奥の割れ目へと指を添わせれば明らかに湯とは違う、別の液体が指へと纏わり付く。前回はいくら処女だったとは言え痛みを伴わせてしまったから今回はしっかり慣れさせなくては。指を一本ゆっくりと中へと埋めていく。

「ふにゃ…ぁ…っ」

どうやら今の所痛みは感じていないようである。ゆっくりと指を動かしつつも様子を見て、更に指の数を増やす。中で指を動かす度になまえの身体も反応して湯が大きく波打つ。

「ろは、ん、ろはん…っ、すき、ぃ…っ」

必死に快感に耐えながらぼくに縋り付くなまえの唇に自分のをそっと合わせる。僅かに空いた隙間から自分の舌を入り込ませれば、人間のより少しざらついた舌が絡みついてくる。飲み込めない唾液を口の端から零しながらその舌を吸ってやればなまえの中もきゅうきゅうと締め付けを強くした。

「…そんなにぼくとキスするのが好きか。キスする度に中が締め付けるな」
「…きす、すき…っ、露伴との、きす…、もっとぉ…っ」

いよいよ参ってしまった。いくら理性があろうともなまえの前では持ちそうもない。本当はもっともっと慣らしてやりたいが残念ながら自分が持ちそうに無い。青二才の自分を恨む他無い。

「なまえ、一回上がるぞ」
「…にゃ…、もうおしまい…?」

少しばかり残念そうななまえを浴槽の縁に手を付かせてから尻を自分の方へと向けさせる。ゆらゆらと揺れる尻尾ですら今のぼくには煽る要因になってしまう。足を開かせてからなまえの其処に自身を宛がってからゆっくりを腰を推し進める。

「やっぱり猫って言えばこの格好だよなぁ…っ」
「…ひ、あ…っ、…くるし、よぉ…っ」

様子を見ながら出来るだけゆっくりとなまえの中へと自身を埋め込む。やっとの思いで最奥まで辿り着いたのを確認してからなまえの頭を撫でて出来る限りの優しい声で口を開く。

「なまえ、痛むか…?」
「いた、くない…っ、おなか、じんじん、する…っ」

一先ず安堵の溜息を零す。どうやら痛みは感じていないらしい、それどころかこの様子だと既に男に与えられる快感に目覚め始めているのでは無いかとすら思う。びくびくと身体を震わせるなまえを見ながらゆっくりと腰を前後に動かし始める。

「あ、あっ、ん…ぅっ、にゃ…あっ」
「なまえ、締め付けすぎだ…っ」
「ろは、ん…っ、おなか、なかぁ…っ、きもちぃ…よぉっ」

間違いない、なまえは感じている。そう確信した途端になまえの華奢な腰に手をやり思い切り自身を奥まで入り込ませる。動かす度に結合部から水音が聞こえ、途切れ途切れになまえの声も浴室に響き渡る。

「は、あ…、おいおい、このザマだとぼくが持ちそうに無い…」
「ん、ぅ…、……っ!や、やにゃぁ…っ!」
「ほら、猫って尻尾の付け根が弱いんだろ?」
「しっぽ、やあ…っ、おかしくなっちゃうよぉ…っ」

ぐりぐりと腰を動かしながらなまえの尻尾の付け根も刺激してやればそれだけでなまえは達しそうになっていた。前回あんな思いをさせてしまったのだから今回は思う存分気持ち良くさせてやりたい。

「ろはんっ、しっぽ…っ、がまんできな…ぃよぉっ」
「別に我慢しなくていい、ほらイキたいんだろなまえ」
「にゃ…ぅ、あ、あっ、ろはん、ろは、ん…っ、あ、あ、あ…っ!」

その内になまえは一層大きく反応したかと思うとぐったりと力尽きてしまったようだった。ぼくはぼくで強く締まったなまえの中で全てをぶちまけていた。














「露伴、おふろきもちい」
「…ああ、よかったな」

余程先程の行為が気に入ったのかなまえは髪の毛と身体を洗い終わってからもこれしか言わない。まさかとは思うがこいつは風呂に入るのがセックス込みの行為だとは思っちゃいないよな。

「露伴、おふろきもちい」
「…ああ、そうかよ」
「露伴」
「何だよ」
「露伴、だいすき」
「……言わなくても知ってる」
「露伴、もっかいきすしたい」
「……もう一回だけだからな」

唇と合わせながらふと思う。そういえば勢い余ってなまえの中に出してしまっているがこいつ、もしかして妊娠なんてしないよな?…いや、でも待てよ処女膜までご丁寧に作られていた身体だぞ。…有り得る。身体の仕組みがどうなっているか不明確すぎる。スタンドで本にした所でなまえの身体の事まで書いてなかったし何だってこうもややこしい事ばっかり起こるんだよ。やっぱり猫なんて嫌いだ。




「露伴、だいすき」


……ああ、そうかよ、ぼくもだよ。



20150418

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