おれを選ぶ、違うか?
 真選組の紅一点である藤堂花梨は、2人の男の間で揺れていた。


「花梨、お前が好きだ!!どうしようもないくらいお前が好きなんだ・・・っ」
『はい・・・!!?今なんて言いましたあなた・・・!!?』

 1人は花梨の現職場の上司で真選組の副長である土方十四郎だ。
先日、まさかあの常に喧嘩とマヨネーズの事しか頭になさそうな土方に、花梨は熱烈な告白をされたのだ。
あまりにも信じられなくて、最初はベタだが総悟にさせられた何かの罰ゲームかと思い、花梨が思わず何度も聞き返してしまっていたのは、記憶に新しかった。そしたら最後には、

「本当に花梨が好きだっつってんだろうがァァ!!!何度俺にこんな小っ恥ずかしい告白させんだてめェはコラァ!!!」

と、怒りと羞恥で顔を真っ赤に染めて言われてしまったのだが。
だが、土方からの告白は嬉しかったのだ。最初信じられないと同時に、花梨の心は確かにときめいたのを感じたのだ。土方は極度のマヨラーと喧嘩っ早いのを除けば、とても魅力的な男だったのだ。


 そして、もう1人は──

「花梨、お前ェが好きだ。お前ェは俺を選ぶしかあるめェよ。真選組を辞めて俺と共に来い、花梨」
『っ・・・!!』

現在は花梨と敵同士で、過激派攘夷浪士として指名手配をされていて、花梨の幼馴染でもある高杉晋助だった。
 実は昔、花梨は高杉とは恋仲だった。
だが、花梨は見てしまったのだ。花梨がまだ鬼兵隊にいた頃、船で他の女を抱いていたのを。それを見て、花梨は悲しみのあまり耐えきれずに鬼兵隊を抜け出し、暫くはもう1人の幼馴染の銀時の元でお世話になっていたのだ。
 因みに丁度その時に、真選組と知り合ったのだ。

 そして、最近は真選組の人達と銀時のお陰で高杉の事を忘れられて来ていたというのに、高杉は再び花梨の前に現れ、花梨の心を揺さぶったのだ。

『あ、あんた・・・っ!!自分が何したかわかってるのっ!!?』
「あァ、わかってらァ・・・俺ァお前ェ以外の女を抱いた。それは事実だ、否定するつもりァねェ」
『っ・・・!!だ、だったら・・・!!』
「だが、俺ァ花梨と終わったつもりァねェ・・・それにお前ェは──"俺を選ぶ、違うか?"」

 何て自分勝手な男なんだろうか。
だが、そんな最低な男でも、再び花梨の心を揺さぶり、惹かれてしまったのは紛れもない事実だった。再び花梨の目の前に現れ、共に来いと言われて嬉しいと思うと同時にときめいてしまったのだ。

 本当は、土方には惹かれ始めていた。このまま高杉が目の前に現れなかったら、告白を受け入れて付き合っていたと思う程に。
 だが、あんなにも熱烈な告白をしてくれた土方には悪いが、やはり花梨には高杉しかいなかったのだ。

『・・・・・・晋助、今度浮気したら絶対許さないからね』
「ククク・・・あァ、もうしねェ」

 花梨がぷいっと顔を逸らし手を差し出すと、高杉は笑って頷き、大きく安心する手で花梨の手をぎゅっときつく繋いでくれた。言葉では表されていないが、それはまるでもう離さないと言われている様で、花梨は再びときめいたのだった。


─END─

ああああ!!初めての短編めちゃめちゃくだぐだになった気がする!!普段連載ばっかだから短編難しい!!駄作ごめんなさい・・・Orz