ナウ板論争大会
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登録日:2015/02/27(金)15:27:24
更新日:2018/04/16(月)15:17:50
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ナウ板 
紹介文
■ナウ板論争大会あらすじ

『やすが論争で敗北した』
その知らせは瞬く間にナウ板中を駆け巡った。

「総合雑談暇やぁ絡んで事件」で圧倒的な力を見せつけ、[制御不能の殺戮マシン]の二つ名を持つ男、やす。
そのやすが論争で一方的に打ち負かされ、敗北したというのだ。

やすを倒した男の名は「山崎 季輝(としき)」。

らや、さまるなどの呪文を使いナウ板中を暴れ回る基地外ニートだ。
彼はコテ板民を嘲笑うかのように堂々と姿を現し、高らかに宣戦布告した。

としき「らや...らーやや〜」

そして、挨拶板コテを引き連れコテハン板侵略を開始した。

コテ板民vs挨拶板民!!
血塗られた戦いが始まる...

■エピローグ


エピローグとして創作された記事

昼夜を問わず、人の群れが行き交う街『ナウ街』。
話し声や車の音、街に溢れる様々な音。
しかしその喧噪さえも届かないほどの路地裏に、その男は居た。

満身創痍のその男は薄汚れた建物の壁に背中を預け、携帯電話を取り出した。
血と泥で汚れた指で発信を選択し、相手に繋がるのを待つ。
しかしどれだけ待っても虚しくコール音が響くのみ。
男にとって、その音は焦燥感と苛立ちを煽るものでしかなかった。

「畜生..なんで繋がらねぇんだ!」

怒りと焦りが入り混じった声をあげ、手に持った携帯電話を握り締める。
その液晶画面に夥しい数の発信履歴が映し出されていた。
名前はすべて『指示』と登録されている相手だった。

どこで計画が狂った?
やすを潰したところまでは順調だった。
挨拶コテ達も、俺の手足になって十分働きをみせた。
だが本格的に侵略を開始した辺りで、コテハン板の奴らの抵抗が激しくなった。
そんなものは問題じゃねぇと思ってたし、実際何度も奴らの包囲網をブチ抜いてやった。

それは全て、この電話で連絡を取り合ってた『指示』を出してくる奴の作戦に沿ったモンだった。
直接連絡を取られることを嫌う『あのお方』が、俺と連絡を取るために置いた舎弟の一人。
どんなときでもそいつから作戦が『指示』がされてくるハズだった..。

「なのに..なんで出ねぇんだよォォォ!!」

携帯電話の液晶に繋がらないまま電話が終了した画面が映し出される。
基地外ニート山崎としきは、それを虚ろな目で見つめていた。

?『直接連絡するんじゃねーぞ。こっちは忙しいんだ。』

『あのお方』に言われた言葉を思い出す。
だが窮地に立たされた上に与えられた連絡手段が途絶えた今、としきにはその命令を守り通す余裕なかった。

「大丈夫だ..。『あのお方』に直接連絡を取ればなんとかしてくれる。
俺は一番の舎弟だったんだ。仕方ねぇ野郎だって、笑って許してくれるさ」

連絡先への発信ボタンを押し、繋がるのを待つ。
その時、彼の潜む路地裏の袋小路に近づく足音がきこえた。
痛む身体を壁に預けなんとか立ち上がり近づいてくる相手を迎え撃つ準備を整える。

誰だ..?いや、誰でも構わねぇ...いつも通り叩き潰すだけだ..。
脂汗を拭い、己を鼓舞する。
だか闇の中から現れた相手の顔を見た瞬間、としきの思考が止まった。

「よぉ..としき..しんでもらいに来たぜ」
「..やす..?」

そこに立っていたのは、よく知った人物だった。
やす。としきと同じく人生を詰んでおり、常に対立を繰り返してきた男。
なぜ生きている?俺が潰したはずじゃ..
状況が理解出来ないとしきは、その一瞬完全に無防備になっていた。

次の瞬間、としきの腹部に強い衝撃と、焼け付くような痛みが走った。
そこに突き立てられていたのは、鋭い光を放つナイフ。
僅かな間をおいて、温かい液体が滴り始める。
正気を失ったかのような、やすの目が見えた。
そこにあるのは完全な狂気。自らが生み出した闇に呑み込まれた者の目だった。

膝から力が抜ける。
ナイフの鈍い輝きが、妙にギラついて見える。
まるで、やすの歪んだ野望を象徴するかのように。
としきの手から滑り落ちた携帯電話から無感情で機械的な声が流れ始めた。

『お客様のお掛けになった電話番号は、ただいま電波の届かないところにおられるか...』


「...いいんですか?放っておいて」
国産の高級車を運転する女は、
後部座席いる人物にそう声をかけた。
ダッシュボードには着信を示す点滅を繰り返す携帯電話が置かれている。
発信者は全て『としき』と表示されていた。

「用の済んだ道具はさっさと処分する。そんだけだ。気にしてんじゃねえよ」
後部座席のアームレストに肘をつき、としきの言う『あのお方』である山田愛梨(通称:信頼関係)はその問いに対し吐き捨てるようにそう返した。

エンジン音すら聞こえない車内に、重い沈黙が訪れる。
それに耐えかねたのか、運転していた女が口を開いた。

「それにしても驚きました。..その、としきがここまで追い詰められるとは..」

この女もまた山田愛梨の舎弟の一人であり、名を高橋遥(通称:林檎飴)
それ故にとしきの実力は知り尽くしていた。
そのとしきが侵攻作戦の指揮をとったにもかかわらず、事実上の敗北をしたことに驚きを禁じ得なかったのだ。
しかし愛梨の言葉はその驚きを上回るほど冷淡で、そっけない物だった。

「そうか?私に言わせりゃ思ったよりも粘ったってところだ。
あいつにしちゃよく頑張った方だが、まぁ予定通りってことだ」

「...最初から、この作戦は失敗が前提だった、と?」

「考えてもみろ。楽園のオレンジや、荒らし推進のAS部長ですら掌握に失敗したんだぞ?
としき一人でどうこうなるもんじゃねぇって事くらいわかるだろ」

「それは...確かにそうですが...」
ならば何故、こんな騒ぎを画策したのか。
そう言葉を続けようとした時、その思考を先読みしたかのように、愛梨は言葉を重ねた。

「今回の計画はただのテストだ。より上のステージで地位を確立するためのな。
それに上の連中にも、いいアピールになる。これだけの規模の計画を軽く実行に移せる、私の価値を見せつける為さ。
まぁ、成功すりゃあ としきの童貞くらいは貰ってやるつもりだったんだが...その手間が省けたってもんだ」

音も無く走る車は、そのまま闇を切り裂いて郊外に消えた。
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