伯仲で買い物
主命で万屋街に買い出しに来たのはいいが目当ての物が見つからず、辺りを物色している時の事だった。万屋街には俺達以外にも様々な本丸の審神者や男士達が行き交っている。だから一々他所の刀達など気にしていなかったのだが、偶々近くで聞こえたのが脇差の方の兄弟と幼子の姿で顕現した同位体(恐らくバグだ)だった。つまり、だ。思わず気になって意識がそちらにいってしまったのだ。
「きょうだい、かって!」
「えー高いから駄目だよ」
「……きょうだいのおけち!」
「ん゙ん゙ん゙ッ」
……おけちとは何だ、ドケチの事か?と考えていると、同じ様に先程のやり取りを聞いただろう山姥切が崩れ落ちた。驚いて隣を振り向けば、口元を抑えつつふるふると躯を震わせている。そしてその背後でひらりと桜が舞っているのも確認できた。
「……。山姥切のおけち」
「は?お前が云っても可愛くないんだが?」
あの幼い同位体の真似をしてみれば真顔でこちらを見上げた山姥切ににべもなく切り捨てられた。何故だ山姥切、俺も山姥切国広だぞ?