「……あのね、僕、結婚することになったんだ」
「だから、山姥切ちゃんに指輪、選んでもらいたいなぁって」
近いうちに審神者も辞めなければならないだろう。山姥切だけじゃなくて、皆ともお別れだ。寂しいな、なんて。思いの外心残りが出来てしまったのね、私らしくない。
私が生まれた時からの決まり事。互いに愛のない結婚だ、別にそれは文句ない。だって私は愛なんて信じていないのだから。
――そう、何時か終わる事が解っていた。そもそも、刀と人間では時間の流れが違う。共に居られる訳がない。だから、これはただのごっこ遊び。恋人ごっこ。それでも、幸せだった。
「それでも、僕……私は。貴方だけが好きよ。愛なんて下らないと思う私が、唯一好きになったの」
だから、さようなら。私の愛しい刀(こいびと)。
私はこの想いと共にいくわ。