レガシーを両手に
カチカチと携帯を操作し、メールを打つ。
送信相手は見たこともない名前も知らないパッショーネのボス。
送信完了の文字を見届け、ナマエは携帯を閉じた。
「よっこいせっと」
ナマエは地面に転がる死体の横に座り、ようやく合法化されたビールをあおる。
お世辞にも綺麗とは言えないよう用水路をぼんやりと眺める。
ボコォ…という音がして死体の方に目をやると、地面が水のように柔らかくなりそこから男が出てくるところだった。
「ヨォ」
ナマエは片手をあげて挨拶をするが男には無視される。いつものことなので気にはしない。
男は死体を抱えると地面に飲み込まれ消えていった。
辺りは静寂に包まれる。
静かに立ちあがり尻に付いた埃を払う。道の途中にある鉄製のはしごを上って地上に出れば、そこは酔っ払い共が大声で何やら騒いでいた。ゴミ箱に空になった瓶を投げ入れ帰路に着く。
ボロアパートの一室がナマエのアジト。シャワーを浴びて、歯磨きもそこそこにベッドにダイブする。
窓の外は僅かに白みがかっていた。
モドル