「にゃあさん、あのこれ、チョコレートです!」
「あんたも毎年律儀だなぁ。ありがとう」
「ちゃんと作ろうと思ってたんですけどちょっとつくれる状態じゃないので……ごめんなさい……」
「知ってるさ。ま、貰えるだけで有難いってもんだ」

開けてもいいかい、と聞かれたので頷く。喜んでもらえるかな、ちょっと不安になる。

「これは……」
「ウイスキーボンボンの焼酎版らしいです。何にするか迷ったんですけど面白いしにゃあさんこういうの好きかな〜って」
「へぇ……こんなのあるんだな。あんたが俺のことを思って選んでくれただけで嬉しいよ」
「えへへ……」
「早速頂くよ」
「どうぞどうぞ!」
「……ん、美味い……!」
「ほんとですか?よかったぁ。味わからないものだったので結構不安でした〜」
「あんたは食べてないのか……」
「?……っん!?」

ぐい、と腕を引かれて口付けられる。差し込まれた熱い舌からチョコレートとほんのりお酒の味が伝う。甘さと熱に浮かされてぼーっとして何も考えられない。

「どうだ?」
「……味なんてわかりませんよ」
「もう一回するかい?」
「しません!!美味しかったです!!!」
「そこまで拒否されると傷付くなぁ」
「だ、だってぇ……」
「だって?」
「恥ずかしいんだもん……」
「あんたは……全く、そういうのが男を煽るんだ、覚えときな」
「ええぇ、知らんやん……」
「明日は寝坊しても大丈夫だろう?ふたりでゆっくりしようじゃないか」
「……ちゃんと寝かせてくださいね」
「勿論」






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2020.2.14




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