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zakio
カンニング、それは寄生虫のように、知らぬ間に自分の身体を蝕んでいく__。ばれないように、見つからないように、隣や前の答案を盗み見る。その行為に快感を感じるようになったのはいつからだったろう。カンニングが趣味の教師は、40手前でありながら実家暮らしである。数学の授業では毎時間テストを出し、テストを解く生徒たちの答案を盗み見るどうしようもない変態だった。ある日、母が倒れた。すぐに病院へ搬送され事なきを得たが、医者のカルテをカンニングすると、母の余命はあと僅かだということを知った。そしてついに、母の遺書をもカンニングしてしまう。カンニングをきっかけにパラサイトシングルから脱する男のおはなし。
tacos
出来心だった。ほんの少し自信が無かった。それで思わず______あの日俺がやったカンニングは親友と俺との人生を二分した。あいつは東大卒の売れっ子芸能人、俺は未だにパラサイトシングル。しかしそれは仕方がないことだ。俺は不正をした。あいつは正々堂々試験を突破した。全て悪いのは自分なのだから____夕方のニュース。キャスターの声。画面にはあいつの顔写真。裏口入学の文字が躍り出る。茫然とする俺と、鳴り止まない耳鳴り____ 本当に悪かったのは、俺だけなのか?