10,911mに隠した怯え

2019/12/27
頭がかち割れそうなくらい考えて悩んで悩んでもちっともこっちを見てくれない‖さよならはこれで最後にしよう。そう思って書き始めた文字の羅列は思ったようにはいかなかった。思い出を文字にするのはとことん骨が折れた。そのうち考えるのをやめて、どうにでもなれなどという曖昧な気持ちでいると、いつの間にかペンは紙の端まで来ていた。もはや書くことも書く場所もなくなっていた。
この文字は震えてはいやしないだろうか。この文字に、水が滲んではいないだろうか。
と言ってはみるが、どんな形になったにせよ私は、便箋を変えるつもりなど毛頭なかったのだ。



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