ずっと前から手に入れたいものがあった。それは明るくて、俺を元気にしてくれるものだった。

中学に入学してすぐに、俺はそいつを見つけた。同じクラスだったそいつは、寿陽和と名乗った。そしてそのときに見せた笑顔に、俺はすっかり堕ちてしまったんだ。

そして2年が経ち、中学3年となった俺の隣に陽和は居る。あの頃から変わらない笑顔を見せて。中1のあのときから完全に陽和に堕ちた俺を、陽和は受け入れてくれた。

「好きだ、陽和」
「俺も、好きだよ跡部」
「…名前で呼べと言っただろう」

あはは、そうだっけ。と笑う陽和は、やはり俺の大好きな笑顔で好き、景吾。なんていいやがる。今こうして陽和と居られることはもしかして夢なんじゃないかと思うほどに幸せだ。



何があっても離さない
俺にとって、一番大切なもの