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「原ちゃん見てよ〜八橋たくさん!!」
「ん〜!!イイネイイネ!!私も買ったわよ〜」


夜、お風呂から上がってみんなと同じ部屋である大広場で原ちゃんに買ったお土産を見せる。
原ちゃんも当然のようにお土産をたくさん見せてきて、これは美味しいだのあれは美味しくなかっただのと教えてくれた。


「寺坂くんと一緒だったんだよね?どうだった?」
「ん?普通だったよ?あれ、なんかあった?」
「いやいや、そうじゃないけどさ」
「オォ〜?サチはあのバカが気になると?」
「そんなんじゃないって」


温泉まんじゅうを食べながら原ちゃんに聞いていれば、後ろにいたのか莉桜が私の肩に腕を置いて、ニヤニヤしながら聞いてきた。
隣に座っている愛美もワクワクといった面持ちでこっちを見ていて。


「何気にあんたたち仲良しだよね?」
「え、そうかな?」
「授業中よく目配せしてるわよね」
「うわ、狭間さん!!」


話を聞いていたのか、狭間さんがニヤニヤしながら話に入ってきた。
後ろには莉桜。前には狭間さん。しかも二人の手にも気づいたら温泉まんじゅうがあって。


「もーそのまんじゅう原ちゃんが私と愛美のために買ってきてくれたやつなのに〜」


と言っても、我関せずで一口で食べちゃう莉桜。狭間さんは意外にも味わいながらそれを食べていた。


「わ!!いいな温泉饅頭!!私たちも色々買ってきたからみんなで食べない?」
「それいいね〜!!」

お風呂から上がったのか、矢田っちたちが戻ってきた。
温泉饅頭をもそもそと食べていた私たちを見て、みんな自分のカバンからお土産を出す。

そしてビッチ先生もそこにいたから、ついでにビッチ先生とお話しようと、みんなビッチ先生の周りを囲んで話し始めた。


「え、ビッチ先生20歳なの!?」


25とかだと思っていたビッチ先生が実は20歳だと知り、私は饅頭を食べながらびっくりしていた。
ビッチ先生は千枚漬けを一つ取ると、


「あんた達は私と違って危険とは程遠い国に生まれたのよ。感謝して全力で女を磨きなさい」


そういった。


「ビッチ先生がまともなこと言ってる」
「なんか生意気〜」


なんてみんなでおちょくれば、先生が眉間にしわを寄せて怒る。
饅頭を飲み込んで私も笑いながらそれを見つめた。


「じゃあさじゃあさ、ビッチ先生がおとしてきた男の話聞かせてよ」
「あ、興味ある〜」
「ふふいいわよ。子供には刺激が強いから覚悟なさい。

例えばあれは17の時」


ビッチ先生が窓際に座りながら話し始める。

と、私と原ちゃんの間に何か違和感を感じてゆっくりと隣を見ると、そこにいたのは、


「殺せんせー!?」
「そこ!!さりげなく紛れこむな女の園に!!」
「いいじゃないですか。私もその色恋の話聞きたいですよ」


何とも下世話な、と苦笑いしてれば、莉桜が腕を組みながら、そんな殺せんせーはどうなのかと聞いた。


「そーだよ人の話ばっか!!」
「先生は恋話とかないわけ!?」
「巨乳好きだし片思いくらいあるでしょ!!」


と、みんなで責め立てれば殺せんせーが逃げ出す。

みんなは武器を片手に急いで部屋を飛び出すと、男子部屋からも男子たちが大勢来ているそうで、何とも騒がしい廊下になった。

それをぼーっと見つめながら、運動の苦手な私と原ちゃんと愛美で、のんびりとまた饅頭を食べ出した。



「修学旅行って楽しいね〜」
「やっぱりこうやって饅頭を食べるのって幸せよね〜」
「そうですね〜」



何て、のほほんと笑いながら。




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