家族が死んだ話のその後



「レモンキャンディー」

合言葉を言って、校長室に入る。ダンブルドアはわたしをみてニッコリ微笑んだ。

「よう来た、ナマエ。夏休みはどうするか、決まったのかね?」
「はい。よく考えてみたんです。それで、夏休みはホグワーツに残ることに決めました」

わたしの帰る場所は、もうこの世界の何処にも無い。まだ12歳の子供が見知らぬ土地で生きていけるわけが無い。そもそも最初から選択肢なんてなかったんだ。

「…そうか」

ダンブルドアは少し悲しそうだった。でもダンブルドアが悲しむ理由はないし、わたしの気のせいかもしれない。
用件はそれだけだから、わたしはダンブルドアに頭を下げて校長室から出た。





「それじゃあ皆、元気でね」
「元気でねって…ナマエは?」

ホグワーツ特急へ向かう馬車に乗るためにトランクを抱えたハリーたちに挨拶をすると、ロンはきょとんとした。あ、そういえばいろいろあったからわたしがホグワーツに残ること言ってないかも。

「実はいろいろあって…夏休みもホグワーツに残ることになったんだ」
「そんな事できるの!?」

ハリーは興奮した様子で叫んだ。そうか、ハリーは家に帰りたくないんだよね。

「ちょっと特別な事情があって…特例ってことで残らせて貰えるんだ。たぶん…ハリーはダメだと思う」
「特別って何? どうしてナマエだけ許されるの?」
「ちょっと…いろいろあって」

誤魔化そうとしてもぐいぐい聞いてくるハリー。うーん、こんなに人の多いところで家族が殺されたなんて話したくないなあ。