太宰・中原SS

(BSD太宰だったり中原だったり)





いつまでも、二人で歩んでいけると思っていた。
隣なんて見ていなかったよ。当然の様に君が居ると思っていたから。
でも君はいつの間にか、隣よりも少し後ろを歩く様になって。

ねえ、君が居なくなった今、こんな事聞く資格なんて無いのは分かっているけれど。
君は、何時から泣いて―――。
対等であるが故の盲目。(気付けなかった、隣に並んだ君の涙)
『一人遊び。』お題bot
ツイート:2017.04.10


「おはようございます、幹部」
「だから名前で呼べって、下のな」
「私は唯の部下ですので」
「特別だって云ったじゃねえか」
「意味を計りかねます」
「手前は俺にとっては特別な女だよ。ほら、呼んでくれよ」
「……命じて下されば」
「惚れた女への我が儘なんざ『命令』になんかしねえよ」
主従より愛で縛りたい
喉元にカッターお題配布bot
ツイート:2017.04.10


「なあ、好きだ」
「はあ」
「恋人に為ってくれ」
「其れは幹部としての御命令ですか?」
「ンな訳あるか」
「自分の様な者が……無理です」
「如何したら絆されてくれるんだ?」
「如何したら諦めて下さるんですか?」
「手前は逃げてばかりだな」
「貴方が繋ごうとするからですよ」

彼がこの距離を縮めてくるから、私は下がってこの距離を保つ。
彼がこの関係を壊そうとするから、私はその度に必死で修復する。
上司と部下で充分です。恋人なんて以ての外。
君が壊して僕が直して。それが僕達の関係。
『一人遊び。』お題bot
ツイート:2017.04.10
#その後のツイート
多分十何回目の告白


「嗚呼、貴方の顔は本当に醜いわね」
「私にそんな事を云うのは君くらいだ。こんな色男に向かって」
「外見の事を云ってるんじゃあないわよ。その笑顔を止めて頂戴」
「なら何なんだい?君は私の内なんか興味が無いだろう」
「その笑顔の裏に隠されたものなんて知りたくないわ。吐き気がする」
嫌気がさすくらい君は綺麗に笑うね
喉元にカッターお題配布bot
ツイート:2017.04.11


「……て、ねえ、起きて」
「―――あ」
「大丈夫かい?随分魘されていたけれど」
「……何でも無いの。気にしないで……っ!?」
「そんなに怯えないでよ」
「……っ、離して」
「本当の事云って御覧?君は何の夢を見たの?」

微笑み乍ら、判っている癖に君は問う。

私は君の隣で眠り、
いつもと同じ、君に殺される夢をみた
喉元にカッターお題配布bot
ツイート:2017.05.03


「君が私の事を好きだと知っているよ」
「私はそれが嘘だって知っています」
「そんな事は如何でもいいさ。君が頷いてくれれば真実になるんだから」
「そんなもの真実とは云わない。お願いだからもうやめて。『私は貴方が嫌い』なの」
「止めないよ。君が後生大事に守っている『それ』を殺すまで」
嘘に貫かれた真実は、やがて静かに息を引き取る。
『一人遊び。』お題bot
ツイート:2017.05.03


「……」
「……彼の事は残念だった。私も手を尽くして探したのだけれど……済まない」
「いいえ。寧ろ一生懸命探して頂いて、ありがとうございます」
「良いんだ。だって私は」

 ―――余計な物を切り取っただけだから

「?」
「何でも無いよ。大丈夫、これからは私が君の隣に居るからね」

「君達が綺麗に別れるのを待つほど、気が長くはないのだよ」
破られたキリトリ線。(綺麗に切ってもらえるなんて、本気で思っていたのかい?)
『一人遊び。』お題bot
ツイート:2017.05.03


「君という子は!何故探しに来ないんだい!?」
「あ、お帰りなさい」
「あ、うんただいま……ではなくてだね!君の恋人が家出したのだよ!?はいやり直し!」
「は!?また!?もうただの構ってちゃんじゃないですか!」
「そうだよ!構って欲しいだけだもの!!」
「ぶっちゃけたよこの人!!」
家出します、探して下さい
喉元にカッターお題配布bot
ツイート:2017.05.03


「君の劣等感は何処から来るんだい?」
「貴方が恋人である事かしらね」
「おや奇遇だね、私も君と恋仲などと信じられないよ」
「何故私達付き合っているのかしら」
「それは、君が私の事を好きだからじゃないか」
「それが劣等感の元よ、莫迦」
「おや、私だけではなかった様だ」
お揃いのコンプレックス。
『一人遊び。』お題bot
ツイート:2017.05.03


「今晩は、お嬢さん?」
「……今晩は、マフィアの幹部様が何の御用かしら」
「貴女に一目惚れをしたのですよ。名も知らない貴女を探すのは骨が折れた」
「王子の心算かしら?残念乍ら硝子の靴なんて這入らないわよ」
「ではそんな靴など壊しましょう。私が欲しいのは間違いなく貴女なのだから」
ガラスの靴は砕けた
喉元にカッターお題配布bot
ツイート:2017.05.03


「君かい、私の自殺の邪魔をしたのは」
「否、此処私の家の庭なのですが。こんな棺桶に這入って何してるの」
「発想の転換だよ。先に棺に這入る事で死体になろうという」
「うわあ本当に変な人だった」
「君は私の邪魔をしたね?責任を取り給え」
「は?」
「私と結婚してくれ」
「は?」
「私と共に墓に這入ろう」
「いやいやいや」
「さあほら先ずは共に棺にだね」
「いやいやいや、誰か助けて!不審者が居ます!!」
「ふ、無駄だよ。私は武装探偵社の一員だ。不審者扱いされるのは君だよ」
「否そんな事は無いでしょ」
「さあ心中しよう!」
「結婚から変わってる!?」
誰が棺の蓋を閉めたのか。(誰が中に眠っていたというのか)
『一人遊び。』お題bot
ツイート:2017.05.04


※棺桶騒動の続き
「茶まで出してくれて。ありがとう」
「私は家に上がるのを許可してないし、座布団も出してないし、お茶も淹れた覚え無いんですけどね」
「気にしないでくれ給え、結婚するのだし」
「しませんからね。早く出て行って下さい」
「あ、なら心中」
「そっちはもっと無いです」
「というか何でお茶とか座布団とかの位置知ってるんですか」
「前から知ってるから」
「……ん?」
「更に云えば、あの庭で棺に這入っていたのは、此処が『君』の家だから。君の両親が旅行に行って今は不在な事も知っているし、彼等が結婚記念日なのを気遣って君が残ったのも知っているよ」
「…………」
「そして、君は私を知らないだろうけど、私は君をよく知っている。名前に生年月日、好きな物も嫌いな物も起床と就寝の時間も」
「……それ、世間一般で何て云うか知ってます?」
「ストーカー」
「真逆の自覚有り」
慇懃無礼な侵入者。
『一人遊び。』お題bot
ツイート:2017.05.04


※棺桶騒動の続き、の続き
「自分がストーカーだと云う事は判っている。此の侭見守っているだけで良いと思っていたんだ」
「私は其れだけでもちっとも良くないです」
「それは其れ以上の関係をお望みと云う事かな?」
「逆だよ」
「そう思っていたのに、君が一人きりで家に居ると思うと……君が寂しがっているのではと思うと……呼ばれている気がして……」
「全力で気の所為です」
「恥ずかしがらなくて良いのだよ」
「嫌がられているという自覚も持って下さいよ!」
「そうですか……ストーカーでしたか……」
「探偵業も悪用しようとすれば出来るからねえ」
「堂々と悪用って云ったよこの人……」
「それで?」
「はい?」
「返事は?」
「え?」
「結婚」
「…………謹んでお断り……」
「因みに『はい』以外を答えたら結婚ね」
「選択肢が無い!?」
「一緒に幸せになろうね」
「待って待って貴方に幸せを吸い取られる予感しかしない!ていうか現在進行形で奪い取られてる気がする!!」
「私と一緒に居る事以外の幸せなんて壊してあげよう」
「何か怖いこと云ってる!!」
「さあ来給え」
「助けてお巡りさあああん!!」
「おや……私は鬼ごっこは得意だよ……?」

僅かな希望を胸に走る少女、然し少女を追うは、そんな有るかどうかも判らない小さな幸運など食い散らかす化け物。
彼女を手に入れるために、幸運すら味方につけて計画を立てたのだ。あとは実行するのみ。
さて、鬼ごっこの行方は―――。
幸運泥棒の足音。
『一人遊び。』お題bot
ツイート:2017.05.04


「この間、君を見かけたのだけれど。君は気付いてくれなかったね」
「そうだったんですか。雨が降ってたから判り辛かったです……」
「まあ、良いよ。その代わり、晴れた日は絶対に私を見つけてくれ給え」
「絶対ですか……?」
「絶対だよ。天気が悪かったから、なんて云い訳は赦さないから」
見間違いさえも許されない青空の下で。
『一人遊び。』お題bot
ツイート:2017.05.08


この世界は退屈だから、人は楽しい事を求める。私だって人間だ、人形で遊んだって良いだろう?ねえ、私のお人形さん?君が私の遊戯で足掻く姿が大好きなんだ。だから逃げないでおくれ。君が逃げたら、私は新しい人形を連れてこないといけない。友人が死ぬのは厭だろう?
却説、もう一度訊こうかな。

「……コンテニュー、ね。巫山戯ないで」
「ふふ……本当にその目が好きなのだよ。唯の人形とは感じさせない目だ」
「良いでしょう。100円と云わず、貴方が満足するまで遊んでやるわ。そして何時か―――貴方を殺してやる」
「嗚呼、最高だ。やってみ給えよ―――やれるものならね」
「コンテニューしますか?」(100円で救える命があります)
『一人遊び。』お題bot
ツイート:2017.05.08


「……胸の大きい人が好きなんですね」
「そりゃあそうさ。あれは女性の神秘の一つだよね!」
「成る程」
「ありゃ。拗ねてる?可ー愛いー」
「私は可愛くないんじゃないですか?胸が大きい人が善いんですもんね」
「そんな事無……否、そうだね。うん。君は今の侭じゃ可愛くないな」
「……矢っ張り」
「だからね、私が可愛くしてあげよう」
「私は……って、え?」
「知ってる?胸と云う物はね、触れば触る程大きくなるのだよ」
「はあ……え、一寸、つまり」
「さあ、こっちへおいで」
「否そっちが近付いてきてるじゃ、え、一寸待って、止めて下さい!助けてえ!変態いい!」
ツイート:2017.05.11
それでも私はちっぱいが好き byつねこ


「行かないで」
手を伸ばす。でも貴方には届かない。
「さようなら」
貴方が笑っている。如何して泣きそうなの。
「これ、もう要らないから。あげる」
手の平に落とされた甘い丸。キラキラと輝いている。
止めて。輝かないで。貴方が居ない未来が眩しいモノだなんて思いたくない。それなのに如何しようもなく、貴方は私の背を押す。

前へ行けと。貴方の居ない世界を享受して。
前が見えないのはきっと、未来が暗い所為ではないのだと。
ツイート:2017.05.17
つねこへのお題:てのひらに飴玉/「いかないで。」/まぶしすぎる未来
shindanmaker.com/122300
イメージは太宰さん

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