君の気持ちが知りたい

「結婚式?しなくていいよ」って香澄ちゃんに言われてしまい全く予想していなかった返事に「…えっ、いや、…え゛っ…?」って珍しく露骨に狼狽えてしまう降谷がいる。「零くんしたいの?」ってキョトンと首を傾げられたら「い、いや、まあ…そりゃあ…」ってもごもごしながら返すしかない。

割としっかりショックを受けてるっぽい降谷を見て「あ、いや、別に零くんとの結婚式が嫌とかそういうのじゃないよ!?」って慌てて香澄ちゃんが声を上げる。

「だってほら、零くんお仕事がお仕事じゃない?あんまり人呼んで大々的にって言うのも難しいだろうし…それに、色々時間も手間もかかるから…せっかくのお休みはゆっくりして欲しいもん」ってふわっと笑った香澄ちゃんに自分のことを考えてくれているという嬉しさが半分と、自分のせいで結婚式を諦めさせているというショックが半分とで内心ぐちゃぐちゃになる。

「〜〜ッ僕のことはどうとでもなる…!君の、君の気持ちが知りたいんだ…」って香澄ちゃんの両手をぎゅっと握り締めれば「え、ええと…その、本当に、式は挙げなくてもいいかなって思ってて…」って香澄ちゃんが申し訳なさそうに呟いてから「友達もそんなに沢山いる訳じゃないし…!」って言う。

だけど、どうにも何かを隠してるみたいだったから「……本当に、それだけが理由?」って聞いたら不満そうに唇を尖らせて「私の友達に零くんがカッコイイって知られるのやだ」って言うからあまりの可愛さに思わず天を仰ぐ。

降谷としても確かに大々的な式は難しいし、やるとしても身内だけの小さな式になってしまう可能性が高いとは思っていた。それでも香澄ちゃんが望むなら、と思っていたのにこんなに可愛い理由で拒否されるとは思っていなかった。

「なら、共通の友人だけを呼んだ結婚式ならどうだ?」って提案すれば「共通の友人?」って香澄ちゃんがきょとんと首を傾げる。「ヒロと班長、それから萩原と松田もだな。コナンくんや蘭さんに来てもらうのもいいかもな」ってくすくす笑った降谷が香澄ちゃんをぎゅっと抱き締める。

「君の花嫁姿を独り占めしたい気持ちもあるんだけど、それよりも僕の奥さんはこんなにも可愛いんだぞって、皆に見せびらかしたい気持ちの方が強いんだ」って香澄ちゃんの額にちゅってキスを落としたfryが嬉しそうに笑う。

「僕の、大事な唯一無二の家族だって、皆に自慢させてくれないか?」って降谷が微笑むから「……うん。私も、皆に私の世界一カッコイイ、大事な旦那様だって、皆に自慢したい」って香澄ちゃんも表情がふにゃっと緩む。

「決まりだな。結婚式…というより、いつもの飲み会みたいになりそうだけど」って肩を竦めた降谷に「そんなこと言って、皆との飲み会を一番楽しみにしてるの零くんじゃない」って香澄ちゃんがクスクス笑うから「そうだったか?」って態とらしくとぼけてみせる降谷がいる。

それからあれよあれよという間に準備を進めて、本当に一部の人だけを呼んだこじんまりした結婚式と言う名のパーティーを開くんだよね。一緒に幸せになろうね。
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