ファンサ

恩人であるシュネル様に、レファンドス近衛隊長として貢献出来る日々はとても誇らしい。
願わくば、シュネル様の時代は平穏が続くと良い。

そうして毎日、隊長として責務である任務をこなしているだけだと思っていた。
だが、どうやら私は他の隊員より所謂黄色い声援がかかる事が多いと気付いた。
私のどこがそこまで熱狂的にさせるのだろうか…
それともこういった特別な立場には特別な想いを馳せがちなのだろうか。
部下に言われて初めて、女性陣が群がっている光景が普通ではないと知った。
そうか、私が居ない時はこの様な光景ではないのか…

こういう事には誰に聞くべきだろう…
ローマンは適当に黙認するだろうし、シュネル様は……また面白がられるな…
やはり…聞くしかないだろうか……


「あ、タイウィンさま!報告がありますよ!」
「…、…何かあったか?」
「先ほど決まったことだけど……」

君に話しかけられた途端、視線が痛くなった。
これは嫉妬されている…のか?
しかし…婚約している限りは互いに「嫉妬をされても困る」だけだが…
しかし、一生懸命…報告事項を伝えてくれる君は可愛いな…
よく分からない現状を実感した後でも、それだけで癒される。
すぐに触れられる距離にいるんだ…
…サラッ……

「……?」
「…すぅ……ふふ…」
「む…集中して聞いてましたかっ?」
「あぁ、聞いていたぞ。その事案は私で解決しておこう。」

柔らかい髪をすくって良い匂いを吸い、口付けする。
君は特に何も気にしていないみたいだ。
むしろ、ご機嫌ななめになって口を尖らせる反応はとても可愛い。

後ろから黄色い悲鳴とショックを受けた悲鳴が入り交じって聞こえてくるが、まぁ私にはあまり関係のないことだ。