幸せの行方
リタニアでの戦争以来ぶりにお会いできたラスさんと、メルセデスさんとアルキィさんとレファンドスの街を歩く。
相変わらず治安は悪い。
こんな街を見せてしまって、少し恥ずかしく思う。
先行して案内をしていると、メルセデスさんに思いがけない事を言われた。
「なんだかお二人を見ていると、恋人同士のように見えますね。」
「…!そうでしょうか?」
「そ、そんな!恋人だなんて…」
「確かに。二人とも息ぴったりだし、本当でも驚かないな。」
「突然変な事を言って申し訳ありません…気分を損ねてしまいましたよね…」
「いいえ、まあ、恋人であることは事実ですから。お気になさらず。」
「ちょ、ちょっとタイウィンさま!!」
「ん?ラスさんとメルセデスさんに嘘をつく必要もないだろう?」
「それは…そうだけど………」
顔を真っ赤にさせて、声を震わせている。
このお二人にそこまで恥ずかしがらなくとも良いんじゃないのか?
事実であると聞いたラスさんとメルセデスさんは、少し驚いた様子でいた。
「てっきり、タイウィンってそういうの嘘ついてでもプライベートは隠すタイプだと思ってたけど…」
「私も思ってました…」
「二人は本当に恋人だったアル?お似合いのカップルアルゥ!」
「も、もう…アルキィくん…」
「本当にお似合いだと思いますよ。一緒にいるだけで、幸せと思える相手と過ごすことが出来る…私もそんな幸せを知っていますから。」
「そんなに惚気けてたかな……」
顔が火照ってしまったのか、両手を頬に当てて困り果てている。
険悪より幸福に満ちている雰囲気の方が、シュネル様のお傍に相応しいと思う。
しかし、顔見知りの、お世話になったお二人に話すだけで、こうも照れるとは思わなかった。
「君は私と交際していることが、恥だと思っているのか?」
「そ、そんなわけ!!」
「じゃあ、そんなに赤くしなくても良いだろう?」
「だ、だって……こんなにカッコイイ人が恋人なんだって……しかもお似合いなんて言われたら……」
「……ふふっ、タイウィン様にメロメロなんですね。とても可愛らしいです。」
「クスクス…今、自分で恥ずかしい事を言ってしまったぞ?良いのか?」
「…ハッ…!!さ、さっきのは聞かなかった事に…!!で、でも…カッコイイのは本当だし…!うぅ…」
「自滅してどうするんだ…全く…世話が焼けて仕方ないな。」
「凄くラブラブアルゥ…ヴィオレタとルルカとはまた違う感じアル…」
「幸せそうなお二人を見ていると、私も心が温かくなります…分けていただいているようで…」
「おれも。この二人にはずっと仲良しでいてもらいたいな。」
介抱する間に聞こえてきたそんな言葉に、つい頬が緩んでしまう。
君とこうして、平穏な日々を過ごせて。
祝福してくれる仲間がいて。
幸せそうに笑う君が隣にいる。
これ以上の幸福はないものなんだと、言葉を噛み締めた。
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