山田利吉×土井半助 Unofficial Fan fiction
◯愛くるしい
よい子は眠る丑三つ時
「うーんっ」
ポツンと明かりが灯った教員長屋の一室で、1人机に向かっていた半助はすっかり凝り固まった体をポキポキと伸ばした。
「そろそろ寝るかぁ」
月は西天へと沈み、星影もない今宵は閑か。半助がのそりと床を延べはじめると、微かにこちらに近づく気配を感じた。
「侵入者?」
いや、これは…
やがてそろりと戸が開くと、半助が今まさに想い描いた彼がぼうっと立っていた。
「利吉くん!」
「土井先生…」
ふらふらと覚束ない足取りで近づく様は、宛らゾンビのよう。半助は両腕を広げると、屍のような恋人をその腕に抱き留めた。
そのままずるずると仆れ込んだ利吉は、促されるままにあれよあれよと半助の膝枕に落ち着いた。
「つかれました 」
「お疲れ様」
優しく甘やかす手が疲労も鬱憤も傷心も、己を蝕む全てをぐずぐずに溶かす
「もうなんにもしたくない」
「よしよし、いっぱい頑張ったんだね」
それは理性さえもを溶かし尽くして、利吉はゴロンと半助の方に寝返りを打つと、感情のままに目の前の腰にぎゅうと抱きついた。視界に広がる恋人の下腹に顔をうずめて、胸いっぱいに息を吸い込めば、愛くるしい香りが身体の隅々まで沁みわたり、酷く安心する
「眠い…」
「寝ていいよ」
だけどその香は、己の中の獸を叩き起こして
「やだ、寝たくない」
その香りは
「もっと貴方を感じたい」
まるで
「今夜はずっと、こうしててあげる」
「土井先生…っ」
「なんだい?利吉くん」
極上の催淫薬
「どいせんせいっ」
ぐぅー
そのとき、甘味に振りかけるひとつまみの塩のように、不釣り合いな可愛らしい音が辺りに響いた。
「あ、おなかなった」
「ごめん、なっちゃった」
「かわいい。おなかすきました?」
「いや、夜ごはんいっぱい食べたから消化してる音かも」
「かわいらしい」
「どこが」
「そしてえっち」
「何言ってるの」
甘味に振りかける塩は、より甘味を助長させる薬味だ
「ほら」
利吉は半助の温い手をとると、自身の股間へと誘導した。
「も〜、どこ触らせるのよ」
だけど言葉とは裏腹に、半助の手がそこをもみもみと甘やかす
「あ、う、」
「ふふ、利吉くんもかわいいよ」
だがそこは、優しい甘やかしだけではもどかしすぎて
「ふ、う、」
欲望深い獸は、もっともっととその手に戯れつく
「ご無沙汰だったのだろう?」
すっかり重だるい腰を動かして、甘やかなその手にぐりぐりと擦りつければ
「出してスッキリしようか」
半助はわかったわかったと、よい子たちへ向けるような八の字眉毛で微笑んで、利吉の袴の結び目を解いてあっという間に褌を寛がせた。
「んっ」
熱く滾っている魔羅に半助の手が直接触れる。
「は、う、」
すりすりと緩急をつけながら根本から括れへと指を這わせて、先っぽをくりゅっと手のひらで揉み込む。
「く、あ」
「気持ちいかい?」
「っはい」
敏感な割れ目を、親指の腹でよい子、よい子と撫でて、人差し指と中指でグイっと裏の筋を押してやれば、こぽりこぽりと精が零れて半助の手を汚した。
「あ、っおにいちゃ…」
「ふふ、利吉くんはかわいいなぁ」
空いている片方の手で、汗をかき始めた前髪をそっと漉き、いつまで経っても愛くるしい利吉の、そのおでこに吸いつく。
「も、もう…っく」
「でそう?」
利吉の腰がへこへこと揺れる。その様子が堪らずに可愛くて、半助は再びふふっと笑みを溢すと、もう少しだけ強くしゅっしゅっと擦ってやった。
「でるっ、う」
びゅくびゅくっと真っ直ぐに飛ぶ精をすべて受け止めて、半助は手巾を取り出すと手際よく利吉の体を清拭していく
「いっぱいでたねぇ」
「はぁ、はあ、っはぁ、」
未だに息を荒げる利吉の頭をもう一度撫でて、
「よしよし、いいこ、いいこ、利吉くんはいいこだね」
さっぱりした恋人兼、愛し子を今度こそ寝かしつけにかかる。
「スッキリしたね、これでぐっすり眠れるだろう」
一緒に布団に入って、半助は利吉を抱きしめた。
はずだったのに
「あれ」
いつのまにか半助の真上にある利吉の顔
「え?!利吉くん?!」
その瞳はギラギラと据わっている。
「ちょ、今日はもう寝たほうがっ…あっ」
そのままバタリと覆い被さると、利吉はカプリと半助の首筋に齧りついた。
「っ…ひぇ、んっ、あァ」
よがり声は寅の刻をすぎるまで、静謐な闇夜を艶やかに揺らし続けた。
「つかれたぁ」
「おかげで私は元気になりました」
すっかり生気を取り戻した利吉はニコニコ笑顔で、隣で力尽きている半助を抱きしめた。
「キミ疲れてたんじゃなかったのかい…?」
「土井先生が不足していたみたいで」
ちゅ
と音を奏でて半助の柔い頬に吸いつく
「なので、後もう一回くらいしたいところなんですが」
「だぁめ!ちゃんと休まないと」
半助は利吉の濃い隈に触れて
「えー、でも次はいつできるかわかりませんし」
「キミがまた次の忍務から無事に帰ってきたら、付き合ってあげるから」
ちゅ
と音を奏でて利吉のこけた頬に口付けた。
何も身につけていない肌と肌がすべすべと触れ合って、愛する恋人の体温が、腕や足の皮膚から皮膚へと伝わる。首筋やおでこにかかる息も、いつもよりも濃い匂いも、甘ったるい瞳もその声も、互いの存在を五感全てで感じる。
あまりに愛おしくて尊い、かけがえのない恋人。だけどやっぱり、いつまでも大好きなお兄ちゃんで、そばにいるだけでほっこりと心休まる。くわっと利吉の口から大きなあくびが溢れた
「ほら、もう眠たいだろう」
優しい声色は、昔から変わることのない子守唄
「うう」
「よしよし、ね?いいこだから、今日はもう眠ろ?」
襲いくる睡魔に大人しく従う
「うん、いいこ。ゆっくりおやすみ、利吉くん」
穏やかな眠りについたとき、途端にふとある疑問が浮かんだ。
「あれ?」
「うん?」
「そーいえば父上は?」
「え?今更それ聞く?」
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