:D,Gray-man
:アレン・ウォーカー
比較的楽な任務を終えて帰った私は、いつもの様に救急箱を手に上機嫌で大好きな人を待っていました。
けれどその日彼が帰ってくる事は無く、数日後彼と同行していた神田から、任務完了連絡が来たとコムイさんが教えてくれました。それからまた私は彼の部屋へ通い詰める日々が続き、そろそろかなと考えたその日の夜、彼が帰ってきたのです。
「アレン?」
けれど開いた扉から入った彼の表情は寂し気で、心配になって駆け寄って声をかければ、アレンは突然俯いていた顔をあげて、私の顔を真っ直ぐ見つめて、私の名前を呼びました。
「大好きですよ」
「…………」
「愛してます」
真剣な顔付きで何を言うかと思ったら。私は少し唖然として。嬉しくない訳ではないのだけれど、そういう事サラッと言う人は信用できない。と言ってやりました。
「特に、ポーカーフェイスの腹黒は」
意地悪く付け足した私の言葉に、酷いなぁ。とアレンは困ったように少しだけ眉を下げて笑うものだから
「けどね、アレンの事は信じるよ」
なんて自分で言って恥ずかしくなるような、どこか矛盾した発言をしてしまったのです。そしたら案の定アレンは目を見開いていて……
なのに次の瞬間私はふわりと、自分より一回り大きな腕に包まれました。暖かい体温を身体に感じながら、私も小さく、さっきの言葉にお返しをします。
「私、も……好きだよ」
言ってから気恥ずかしくなって、アレンの腰辺りを力一杯に抱き締めます。その分帰ってくる力強さが心地良い、なんて思っていたら、上から小さくクスリと声が聞こえ、彼がまた私の名前を呼びます。
「照れてます?」
「うるさいっ」
聞きながら、アレンが悪戯っぽく笑うのです。色事関係に疎い私は真っ赤になって、何か他の話題を探そうと躍起になります。そうすれば偶然にアレンの団服の下の白に目が行って、そういえばと私はいつもの調子に戻った彼に、ようやく救急箱を開いて予め巻いてあった包帯を取りかえてあげました。
そうしてやっと、あなたとのいつもの日常に戻る為に、その言葉を交わします。
おかえり
すると彼は、いつものように綺麗な笑顔でただいまを返してくれるのです。
2008.11.04.tue
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