:家庭教師ヒットマンREBORN!
:沢田綱吉
見慣れた部屋の風景が視界一杯に見えている。当然だ、此処は私の自室なのだから。
見慣れた男の子が今此処にいる。当然だ、幼馴染みを私が呼び出したのだから。
物音ひとつすらもなく、静まり返った室内は確実に私のせいだ。反比例してその音を煩く鳴らせる心臓を抑えようと私はこっそり深呼吸する。目の前には愛する人がいて、私の口が開くのを気長に待ってくれている。それもその筈で、彼を呼び出したのも話があると言ったのも、他でもない私の仕業だからだ。
そう。幼馴染みであるツナに、今日こそ告白する為に!
「えーと、」
けれどやっぱり、昨日あれやこれやと考えていた言葉はいざとなると全く出てこない。だから…とかその、とか確実に無意味である声ばかりが外へと出ていく。
もしもツナが私を幼馴染みとしてしか見てなかったら?別に好きな人がいたら?ツナとの関係は…どうなるの?
ぐるぐると嫌な想像ばかりが作られて、思考の海に溺れていく。だめだ。考えるな。言う前からこんな気持ちじゃ、本当に振られる。大丈夫。大丈夫。大丈夫。落ち着け。
頑張れ、私。
「す……好き!」
ずっとおどおどと落ち着かなかった私が口を開いたかと思えばそんな台詞。そりゃあ驚くのが当然というもので、やっぱりツナはポカンと間抜けな顔をしていた。それだけの筈なのだけどこの時恋する乙女に変化を遂げていた私には、その場の空気は重すぎた。
沈黙をどうにかしようと焦った私は次の瞬間、これ迄の覚悟を台無しにするとんでもない事を口にしてしまった。
「その、つ……ツナマヨの事が!」
「は……っはあ?」
素っ頓狂な声を出され、ハッと自分の失態に気付く。私は今、なんて言った?
「大事な話って……それ?」
しーんと再び静まりかえったその場に小さくツナの声が響く。口が滑ったと言って済む事ではない。
だからと言ってツナ本人にこれでも私なりに頑張ったんだよ!なんてもう一度告白する勇気などある筈もなく、私の一世一代の告白は全く違う意味を持って愛する人に届いてしまったのだった。
とびきりの愛をこめて
結果私はツナマヨ好きの女と認識されましたとさ!
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10000打フリリク:山浦悠生様へ!
執筆2009.02.09.mon
加筆2009.05.16.sat
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