:D,Gray-man
:ラビ


「ラビー、」

紙の山が幾つも積み上げられ本や新聞がごった返す。足の踏み場もないようなその部屋で、私はラビが書物を読み漁る行為をじっと見守っていた。

「……ラビ?」
「…………」
「ねえ、ラビ」
「………」

いつもなら私の声に、活字を追っていた目をこちらに向ける筈のラビの視線は動かない。そればかりか返事すら無い。
読書中無意味な声かけの多い私にうんざりしてしまったのか。いつもと違う反応は、私に不安を抱かせた。
ねえ、聞こえてるんでしょう?

「ラビ、返事……」
「好きだ」
「…………え?」

涙腺が既に決壊間近だった私は、その一言で遂にその雫を流した。ラビは真剣な顔付きでこちらを向いたかと思えば次の瞬間焦るように私を宥めだして、私はただただ「違う」を繰り返しながら首を振っている事しかできなかった。
「どうした?」「どっか痛いんさ?」気を使ってくれるラビの言葉は暖かいけれど的をついてはいなくて、けれど構わずわんわん泣き声を上げる私が泣き止むのは、もう少し後の事になる。

だって嬉しかったのよ。
貴方はあまり気持ちを表に出さなくて、恋人という立場に在りながら本当に私の事が好きなのかと何度聞こうとした事か。虚しく一方通行な想いを伝えて、一度たりとも帰ってきた事のない返事にいつも泣いていた。
ブックマン見習いと云うその立場は、私にとってただの不安要素しか生み出してくれなかったから。

大きな不安をたった一言で取り除ける貴方に依存しているのは、紛れもなく私の心。


たった2文字の最強魔法

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アンハッピーなラビ夢の修正をする筈が真逆のものが出来てしまった謎。←
ぬるい。

執筆2009.03.22.sun

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