「本当にもう。紘さあ、誰にも譲れないものとか持ってんの??」


前から聞きたかったんだ。

紘にとっての譲れないものを知れば、あたしが紘に惹かれる理由も分かる気がして。

だって、じゃなきゃこんなヘタレ、好きになるわけない!


「あるよ。」

「何っ!?」





「依泉と幼なじみってことかな。」

「え?」

「だって俺、依泉のこと好きだからさ!」


そう言うと紘は突然走り出した。


わけのわからないまま、あたしは紘を追いかける。

あたしの気持ちも伝えなくちゃ、なんてそれしか浮かばなくて。



電柱のそばで一休みしてる紘が視界に映る。

ローファーで足が痛いのなんて気にしない。


紘の背中まで、あと数センチ。



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