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『スレタイ、賊ってどっから湧いてくるのか』

「すれ、?」

『随分歩いて何回か日が沈みまた昇り、ここまでうりゃーっ!って感じで。
何で沢山出て来たのかわかんないZ』

「我々の身形は賊からすればいいカモ、でしょう
それに伝説の者の族布を手に入れたとなれば
商人の間で高値で買い取られるでしょう」

『よくわかんないけど僕のレベルは結構あがった!
てれれってってってー』

「わからない…」


説明したが理解して貰えなかったので落ち込む梓蓮


『あ。そういえばさ、戦花部隊には花の名前もあるとか言ってたよね』


引き続き東に向かい歩いている最中
ふと疑問に思っていたことを聞いてみた


「そうですね」

「気になるんですか?」


前を見て先頭を歩いている梓蓮が答え唄奏の後ろを歩いている琳が問う


『なるなる』


それを聞いた琳は一度梓蓮を見て唄奏に視線を戻した


「僕が。
戦花部隊の色と花の色が一致するものを我々は選び例えます。
族布のどこかに花の模様が入っているはずです」


そう言われ唄奏は腰についている族布をペラペラと捲った
すると右尻の部分に花の模様が入っていた


『はえー………なにこれ』

「野牡丹です、」

『ノボたん?お友達?』

「野牡丹。花言葉は自然です」

『花言葉?それも何か関係は?』

「あります。花言葉は各部隊の属性を表します。
我々の場合は自然、存在することにより人々は自然を目で見ることができます」

『ほー(全然わからぬ)』

「未だ認識されてはいませんが、極稀に2つの花を持つ部隊もあるとか」

『へえ、違う意味とかすか』

「はい。昔の話ですが、ね」

『ほーう』


わかったフリをしている唄奏、本人は隠し通せているつもりだが頭からは湯気が出ている
前にいる梓蓮は見えないが後ろにいる琳には見えてしまうのだ、苦笑いである


『今探してる赤って花はなんなのですか?』

「そうですね、赤は
















































!!」

「……琳、隊長と共に下がれ」


何かの気配を察知した梓蓮と琳
梓蓮は2人を下がらせて腰にある剣に手を添えた





「何者だ」


岩陰を睨みながら威嚇するように低く言い放つ
すると


「俺です」

「!……お前は…」


岩陰から出てきた人に見覚えがあったのか、梓蓮はすぐに手を降ろした
それを見てその人物が危険でないと分かった唄奏は梓蓮の横にひょいと来た


『このイケメンさんと知り合いで?』

「…………」

「弟さんですよ」

「ファッ!?」


琳にそう聞いた唄奏は梓蓮の弟と言われた人をガン見した


「はじめまして、梓恩(しおん)です」


爽やかに微笑みながら唄奏に体を向ける


『はじめまして、(爽やかなイケメンだ…!)』

「野牡丹の隊長様でいらっしゃいますね」

『うす、唄奏ですっす』

「女性がこのような岩山をお歩きに……足は痛みませんか?」

『大丈夫っす(紳士的……だとっ!!??)』

「何の用だ」


ショックで固まっている唄奏の前に出て梓恩を睨み付ける
そんな梓蓮に苦笑いをこぼす梓恩

「そう警戒しないでください」

「…………」

「そちらの隊長様にお会いしたいと、我ら花茄子の隊長が申しています」

「花茄子……だと、」


梓蓮は眉をピクリと動かした


『はななすってなんですかね、ポケモン?』

「花茄子というのはですね」


琳が唄奏の質問に答えようとした時

































「唄奏」




























「……花茄子、赤の花ですよ。花言葉は……真実」


岩の上に座りこちらを見下げている影を見ながら答えた
唄奏はその影を見つめ、目を見開かせていた


「………駿くん?」


影が笑ったような気がした









「アホ面」









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おれんじわぁるど