トリックオアバトル
「トリックオアバトル!お菓子をくれなきゃバトルをしよう!」
「は?てか何その格好」
帰ってくるなり大声で叫び出したダンデ。そういや今日はハロウィンだっけ。外に出ないからすっかり忘れていた。でも普通はバトルじゃなくてトリートな筈だったけど。
「どうだ?スタッフがリザードンをイメージして作ってくれたんだぜ!」
「ふーん、ま、まあ普通じゃない?」
「そうか……。それより、トリックオアバトル、だ!」
「バトルはしませーん」
「何故だ!?」
何故だと言われても……バトルなんかここ数年してないし、そもそも負けるのが確定しているバトルなんかポケモン達に申し訳ないし何より私がつまんない。
「いきなりは困りまーす。ほら、お菓子は机の上にあるから。バトルじゃなくてトリートで我慢して」
「マカロンじゃないか!キミのマカロンはリザードンもお気に入りなんだぜ」
「知ってる〜」
ハロウィンだと知っていればかぼちゃを使ったものにしたのになと少し残念に思いながら、そういえばと先日リーグスタッフの友人に貰ったものを思い出す。あれは今日にって事だったのか……。
すっかりダンデはマカロンに夢中でハロウィンなんかどうでも良くなっている。せっかくコスプレして帰って来たんだし、ちょっとは楽しませてあげようかな。
寝室のクローゼットを漁る。確かこの辺に……あった。これでダンデを驚かせてやろっと!
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「じゃーん!トリックオアトリート!」
「な!どうしたんだ!?」
「友達がくれたの。多分それとお揃いだね」
そう、リーグスタッフをしている友人に貰ったものはリザードンのカラーを使用したコスプレ衣装だったのだ。
その時は何も言わずに紙袋だけ渡されたので家に帰って開封した時はどういう意図なのかは分からなかったけれど今なら分かる。たまには恋人らしくイベントを楽しめということだろう。
ダンデと対になっている衣装は二人で並ぶとかなり仲の良い恋人かよっぽどのリザードンマニアに見える。……まあどっちにも当てはまってしまうか。
「折角だしハロウィンパーティしよっか」
「いいのか!?バトルは……!」
「しません」
しょんぼりとするダンデの背中を押しキッチンに向かう。あまり料理は得意ではない彼でもサラダくらいは作れるようになって貰ったので一緒にパーティの準備でもしよう。
スタッフによる更新以外あまりプライベートでは更新されないダンデのSNSに、珍しくイベントを楽しむ様子が更新されファンの間で騒がれるのは数時間後のお話。
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「そういえば」
「ん?何かあった?」
「キミ、トリックオアトリートと言っていたな」
「あ」
「生憎お菓子は持ち合わせがないんだ」
「……」
「な、イタズラ、してくれるんだよな?」
「おやすみなさい」
「コラコラ、逃げても無駄だぜ?」
「ヒッ、やめっ!アッーーーーー!」
改稿:2021/08/18