待ち合わせ
今日は久しぶりのダンデくんとのデート。一週間前から美容院に行ってネイルして、新しいワンピースも下ろした。
集合時刻はお昼前に設定したものの、彼は方向音痴で時間通りに来ることはないので、のんびりと集合場所に向かったら。
「え?アレってダンデくん、だよね」
待ち合わせ場所の時計台の下に、他にも待ち合わせしている人たちに紛れ、深く帽子を被った見覚えのある姿が見える。
予想外の事に思わず立ち止まってしまう。こんな事初めてだ。今日の天気は快晴の予報だったが急変して豪雨になるのではないだろうか。
これは憧れの『待った?』『いや今来たところだよ』のやり取りが出来る……?後ろから驚かすというのもやってみたい……。
時間にして五秒、頭の中で考えた結果今回は断腸の思いで後ろから驚かすに軍配が上がった。
反対側から出来るだけ足音を鳴らさずにそろりと近寄る。よし、今だっ。
「わっ!」
「きゃあ!」
「ふふふ、驚かそうとしたのか?残念だがバレバレだぜ?」
「え〜〜、何でわかったの……」
驚かそうと声を出そうとした直前にダンデくんが振り向いて逆に驚かされる。くそ〜惜しかった!
「気配を消すにはヒールは向いてなかったな」
「……だって、オシャレしたかったんだもん」
「ああ、オレのためにありがとう。今日も可愛いぜ」
「えへへ、ありがと。それと待たせてごめんね?」
「いや、全然待ってないさ」
ナチュラルに憧れのカップル定番会話はしてしまったと感動していると、腰に手を回され歩き出す。しかもちゃんと方向も合ってる……今日は吹雪になるのかも知れない。
「今日はどうしたの?時間通りに来てるし」
「オレだってやろうと思えば出来るんだぞ?……まあ、たまたま昨日の仕事で目の前のホテルに泊まったから来れただけなんだがな」
「昨日はスポンサーさんの接待だったんだっけ。お疲れ様です」
「ああ、とっても疲れたんだ。だから今日はオレを存分に癒してくれ」
「ふふ、なにそれ。精一杯頑張りまーす」
その後はランチをしたりショッピングをしたり楽しい時間を過ごした。ダンデくんも常時機嫌が良く、私の我儘にも付き合ってくれた。
まあ、解散となりかけた時に昨夜泊まったホテルにもう一泊予約してあるんだと爆弾を落とされてからのすったもんだはあったけど。……ずっと機嫌が良かったのはこのせいだったのかなんて変な勘ぐりはやめましょう!
改稿:2021/08/18