幸せ空間

*生理表現注意




「は、腹が痛い……」

 女性特有の月のものが本日より到来し、朝から下腹部にジンジンとした鈍痛が続いている。初日でこれなら明日明後日はどうなってしまうのか心配しかない。とりあえず薬はさっき飲んだ、けど。

「痛いよ〜……」
「大丈夫か?」

 ほら、とダンデくんがホットミルクを作って持って来てくれた。私の元気が無いと作ってくれる、甘い蜜がた〜っぷり入ったホットミルク。うぅ、あったまる……。
 隣に座ってきたダンデくんがお腹を摩ってくれる。ダンデくんは元々体温が高いので程よい温かさと大きい手は、そこら辺のカイロなんかよりもよっぽど良い。あと幸福感がぐーんと上がる。

「今回のは辛そうだな」
「んー……」

 心配そうに話しかけられるけどまともに返事が出来ない。ごめん、ダンデくん。元気になったら会話しよう……。

「そうだ」
「?」

 テーブルの上に置かれていたボールを手に取りリザードンくんを外に出す。基本的にはポケモン用ルームでしか出さないのに珍しい。

 ちょっとだけ待っててくれと言って離れていったダンデくん。不思議そうな顔をしたリザードンくんの周りにせっせと何かセッティングしていく。……少し離れただけなのに寂しいな。

「よし。おいで」
「なーに?」

 手招きされるが動くのが怠くて返事だけしているとひょいと抱き抱えられる。え、何。どうしたのだろうかと戸惑っていると、リザードンくんの前に敷かれたクッションの上に降ろされる。
 リザードンくんと顔を見合わせるもお互いダンデくんの意図が分からず首を傾げるばかり。

「こうだぜ」
「え?……あぁ〜」

 後ろから腕を動かされ目の前のリザードンくんのお腹に抱きつく体制にされる。あぁ、これは……。

「あったかい……」
「だろ?」

 まあるいお腹に吸盤のようにピッタリとくっ付く。リザードンくんの体内では私には想像できないほどの高熱の炎が渦巻いていると前にダンデくんが教えてくれたっけ。嫌かもしれないけど、今だけその熱の恩恵を受けさせてね。
 リザードンくんも私を受け入れてくれたのか、鋭い爪は当たらない様に頭を撫でてくれる。ふふ、トレーナーに似て優しいなあ。こんな優しい子がバトル中はあんなに強く逞しく、キョダイマックスまでしちゃうんだもん。本当にポケモンってすごい。

 あと五分、あと十分と終わりを先延ばしにしていると、後ろから重さがかかる。原因は一人、ダンデくんだ。

「ダンデくん?」
「……。……こっちの方が背中もあったかいだろ」

 それはそうだけど。前にはリザードンくん、後ろにはダンデくん。こんな贅沢な状況、幸せすぎて死んでしまう。
 リザードンくんから呆れた様な鼻息が聞こえたのは何故だろうか。抱きついているお腹が少し動いたかと思うと大きな翼が私とダンデくんを包む。チラリと後ろに視線を動かすと驚いた黄色い目とぶつかる。

「……ふふ」
「……はは!」
「ばぎゃ!」

 私たち二人と一匹の笑い声が狭い空間に響く。なんだか秘密基地に居るみたいでとても楽しい。幸せだ。


 もう充分温まったけれど、この幸せな空間から抜け出せなくて。汗が滲むほど暑くなるまで、私たちはずっとくっついていた。










(自分で促したことだけど、夢主が自分以外にぎゅっと抱きついてるのが面白くないンデくんでした!ポケモンに、しかも自分のパートナーのリザードンにこんな事思うなんて、と我慢しようとしたけど耐えられなかった感じです。リザードンくんは全てを御見通している……ママなの?ダンデ夢というよりはリザードン夢かもしれない)




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