その衣装ってつまりこちょこちょ待ちですよね?

「どうだ、似合うだろう!」
「うん……」

 パシオから帰ってきたダンデくんがムゲンダイナとの絆がうんぬんと新しい衣装で腕を組み、ドヤ顔で話してくる。だけど、私にはそんな事どうだっていい。私の視線はその大きく剥き出しになった腰に釘付けだ。
 いや確かにパシオ滞在中から写真は送られて来たし、なんならビデオ通話もしていたので知っては居た。でも実際に自分の目で見ると全然違う。
 あまり食生活にまで気を配らなかったのか、少しだけ引き締まった腹斜筋その他諸々が剥き出しだ。何故こんなえっちなデザインにと聞きたいけれど、そんな目で見る変態はキミくらいだとか言われそうなので聞けない。

 こうなったらやる事は一つ。

 近付くと私が興味を持ったと勘違いしたのか両手を広げ衣装を見えやすくしてくれる。いや……うーん、近くで見ても変な服だ。これはムゲンダイナの趣味とかなんですか?
 装飾が綺麗だねとか適当になんたらぬかしながら背後へ回る。今だ。

「えいっ」
「……」
「あ、あれ?」

 その剥き出しになった腰を両手の人差し指でツーっと撫で上げる。だが想像とは違い無反応。くすぐったがるかと思ったのにと、今度は全部の指をこちょこちょと動かす。
 あ、少しだけ身体がビクッてした。なんだ、やっぱりくすぐったかったんだ。我慢しちゃって。
 ピクピクする身体が面白くって、声を上げて笑うまでやり続けてやると調子に乗ってしまったのが悪かった。

「え、……うわぁっ!」
「……」

 ガシリと両手首を掴まれたかと思うと、ぐいと片方を引っ張られダンデくんの前に立たされる。不穏な気配を察知した私は掴まれた腕を振り解こうとするけど、私なんかの力で歯が立つ訳もなく。

「ごっ、ごめんなさい!」
「何を謝っているんだ」
「調子に乗りました!本当にごめんなさい!だから……ひゃんっ」

 思っていた通りダンデくんの手が腰元に伸びてきたかと思うと、さっきまでの私の様にこちょこちょと動かされる。絶妙な力加減で与えられる刺激に、ダンデくんと違い私は笑いを堪えられない。

「ちょっ、うひっ!待って、うひゃひゃっ!」
「やられる覚悟があってやったんだろ?」
「ごめっなさっ!ひゃははっ!」

 必死に動き回る手を止めようとしても笑いすぎて力が入らずに止めることができない。しかも段々と私のツボを理解しエスカレートするその手は服の中にまで潜り込んできた。

「ほら、直接攻撃だぜ!」
「あひゃひゃ!だめっ!くすぐったっ!」

 服の上よりも直接指の巧みな動きを感じることになり、もう笑うのもしんどい。お腹が痛い。でもダンデくんの手は止まってくれない。

「もうっ!ふふっ!もうだめっ!だんで、くっ!……あんっ!」
「……」
「あぅ、もっ!とまってぇっ、うひっ!」
「…………」
「ぁ……」

 よかった、やっと止まってくれた。息も絶え絶えで、目の前のダンデくんの身体にふらりともたれ掛かる。頬っぺたに当たるゴツゴツとした石の装飾が少し痛い。
 それにしても本当にしんどい。強制的に笑わせ続けられるのがこんなにもしんどいなんて、初めての経験だ。やり始めたのは確かに私だったけど、何もここまでやらなくては良いじゃないかと口にはせずに愚痴垂れる。
 いやでも息が落ち着いたら少しは言ってやろうと画策していると、腰に添えられたままだった手が再び動き出す。

「ちょっと……、んっ!……?」

 爪で肌を撫でる様に動かされ、今度は勢いこそ無いが肌が粟立つ様な僅かなくすぐったさ。そしてお腹の辺りに感じる、押し当てられているこれは。

「だ、ダンデくん……?ひんっ、ちょっと、んぅ」
「……キミ」
「んあっ、な、何?なんでっ?」
「人前でくすぐられるんじゃ無いぞ」
「うえっ?んっ、ふふ……わっ」

 いつの間にか追い詰められていたベッドに倒れ込む様に覆い被さられる。全くよく分からないが、雰囲気から察するにダンデくんは。

「キミが喘ぐから勃ったぜ」
「あ、喘いでなっ、ひゃあっ!」
「……ほらな」

 キミの身体は敏感だから困ると耳元で囁かれ、誰がそうしたんだと返すとさあなと返ってくる。私は笑ってるだけで喘いでなんか無いのに!
 どんどん脱がされていくのに抵抗しようとしてもその度に剥き出しになった肌をくすぐられ、身体を捩って笑うことしかできない。もう触られていなくてもこちょこちょって指の動きをされただけで笑ってしまう。

「本当にキミは」
「ひゃうっ!ん、なに?」
「……いや、何でもないぜ」
「んっ」

 気になる事を言いながらいつの間にか外されていた下着で隠されていた場所に吸いつかれる。随分と離れていたこともあり、久々のその感覚にまあいいかと全身の力を抜けていく。
 電話だけじゃ物足りなくって、寂しかったんだから。

 お互い久しぶりの交わりだというのに、最中にも何度もこちょこちょとくすぐられて。いつもより体力の消耗が激しく何度も泣きつく事になった。誠に遺憾である。




2021/08/22




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