某名探偵パロディ


*某名探偵パロ。始まってすぐに終わる名探偵。デフォルトネームネタです。それっぽい雰囲気だけ借りたふざけた内容。有名な名探偵の冒頭の台詞を一部コピペ改変してます。


  私は八斎會探偵助手、玄野針。幼馴染で同じ助手の治崎廻と紙嬰小南と遊園地へ遊びに行って、途中で何かを見つけたらしい小南は土産を買いに行くとだけ残して立ち去った。ベンチで男二人で間を空けて並んで座り、小南の帰りを待つも一向に小南は戻ってこない。リア充や親子連れが多く訪れる中で、周りの憐れむ視線に耐えて私達はひたすら待った。

「遅いな……小南」
「組長に土産を買いに行ったきり帰って来ませんね。コーヒーもすっかり冷めちまいやした」

「(てめェらなに呑気にベンチに座ってんだ!コーヒー飲んでる場合か……!)」

  ふと目に入った売店の裏側で、新聞で顔を隠した組長らしき人物を見かけた。なんだあのサングラスは。一体どこの殺し屋なんだ……

「なんかいませんでしたか?」
「気のせいだろう」

「(女に気を遣わせるな!早く探しに行け!!もういい俺が探しに行く!!)」

  視界の端で私が組長の幻覚を見ている間にも、土産を買いに行ったはずの小南は黒ずくめの男の怪しげな取引現場を目撃していたらしい。私と廻は腰を上げて探し始めた。途中で組長を見つけた。やはりあれは見間違えなんかじゃなかった。その頃、何かに引き寄せられたかのように取引を見ていた小南は、背後から近づいてくるもう一人の仲間に気づかなかった。小南はその男に毒薬を飲まさ……

「うちの娘になにしやがんだ!」

  飲まされることはなかった!怪しく頻りに指を動かしていた男が地面に倒れる。なんて奴だ、一体小南に何をするつもりだったんだ。

「は!?え!?Mr.コンプレス──!?」
「!おとうさん……!」
「流石オヤジだ……!」

「こ、こいつらは!あの真っ黒な悪の組織、敵連合のMr.コンプレスとトゥワイス!!例の目付きの悪い少年を脅していたのか!」
「誰が目付きが悪いだ!」
「後ろにはあの死柄木と黒霧もいるぞ!」
「流石八斎會探偵、ご苦労様だワン」

  なんともう一人の仲間の後ろにも近づいてくる影が!探偵に奴らは気づかなかった!突如現れた組長に一人は背負い投げされて、もう一人の男も瞬く間にノックアウトされて気絶した。追いついた私と廻は小南と組長のもとに駆け寄った。周りには事前に呼んでおいた警察が待機していた。警察が奴らを逮捕していく。用意周到な組長のかっこよさに私と廻と小南は暫くの間その勇姿に見惚れていた。

「無事か小南!!おう、よしよし。怖かったな。俺が来たからな、もう大丈夫だ」
「おとうさん……!」

  後のことは警察に任せて組長は私と廻に挟まれて後ろに立つ小南に声をかける。怖かったのだろう、腕を広げる組長に小南は感極まって泣きながら抱き着いた。目一杯甘やかすとは流石組長。事件解決後のメンタルケアも忘れない。何とも微笑ましい光景にこちらまで釣られてほっこりしてしまう。組長に頭を撫でられて小南が嬉しそうで何よりだ。そして出遅れた私と廻は組長から拳骨をくらった。

「バーロー!おめェら肝心な時に惚れた女も守れなくてどうすんだ!何年助手やってんだ出直してこい!俺がみっちり扱いてやる!」
「オヤジ……!」

  うっとりと組長の服にしがみつく小南の肩を抱いて、ついてこいと言わんばかりに組長は背を向けて歩き出す。な、なんて男前なんだ組長!勝てっこない、完敗だった。私達にはない貫禄がある。頭に立派なでかいたんこぶを拵えて私達は感動していた。私達は置いていかれないように走り出した。組長の活躍により事件は斯くして無事解決したのだった。


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小南:コナンくんポジション。事件に呼び寄せられて、危うく背後から殴られAPTX4869を飲まされそうになったところを尾行していた組長に助けられた。これにより今後は事件に引き寄せられることなく無事に過ごせている。

組長:小五郎のおっちゃんポジション。うちの子達のおデートが心配でついてきた。偶然怪しい黒ずくめの奴ら(=敵連合)を発見し、娘のピンチに撃退して事件をスピード解決した。本家小五郎とは異なり死神をも跳ね除ける豪運の持ち主。犯人の方から逃げ出していく。

「ペロッ…これはクスリ!!治崎おめェまた俺に黙ってクスリに手ェ出したな!!」
「あいつらがっついてねェか心配だな……」

治崎:蘭姉ちゃんポジション。武術を嗜んでいる。色々壊すこともあるけどその分直すのでお金はかからない。第一話で組長がスピード解決をしたので今後事件に巻き込まれるなんてことはない。小南と結婚を前提に交際していると思い込んでいる。玄野と二人で出掛けるなんて認めない。オヤジに恩を返したい。

玄野:ある意味一番コナンくんポジション。八斎會探偵事務所で助手をしている。小南をデートに誘ったら何故か治崎までついてきた。後に小南が事件に呼ばれ抜けてしまい、治崎と二人で仲良くベンチコースになった。助手なのに所々抜けてる手助けされる系の助手。

面構:目暮警部もしくは警察ポジション。犬のお巡りさんなあの人。ご苦労様だワン。

爆豪:拳銃を密輸していた会社の社長ポジション。目付きの悪い少年とは彼のこと。敵連合に弱味を握られて脅されていた。証拠の写真フィルムと引き換えに、高校生にとっては貴重なお小遣いを渡していた。やーい!お前がオールマイト好きなことバラしちゃうぞ〜!

Mr.コンプレス:工藤新一を殴ったお仲間ポジション。更に自分の背後に組長が忍び寄っていたとは知らずに、怒り心頭に発した組長により背負い投げされて伸びた。目が覚めたら逮捕されてまさかの展開についていけない。ちょっとやらしいことするつもりで、手をわきわきと動かしてたからかと後悔している。

トゥワイス:お仲間その2。Mr.コンプレスに続いて組長によりノックアウトされた。その際にマスクも裂けてしまった。目覚めたら逮捕されて、まさかの展開にマスクが裂けていることすら忘れていた。後に気づいて取り乱すもハンカチをくれた警察に感動してしまう。

死柄木:ジンポジション。まさかの展開に抵抗する間も無く警察により連行された。身体検査により所持していた拳銃、毒物、例のフィルムが出てきて全て没取される。取り調べではカツ丼を要求するなど問題有り。黒霧が働いていたら逮捕されなかったと供述してる。

黒霧:ウォッカポジション。抵抗する間も無く警察に連行された。ウォッカポジションになったからかちょっと注意力が散漫になった。警察に包囲されて少し思考が停止した。死柄木とは異なり取り調べには素直に自供している模様。敵連合が壊滅するのも時間の問題。

AFO:あの方ポジション。黒霧の供述により居場所を特定された。突然警察がやって来て死柄木が逮捕されたと知り大人しく捕まる。だがAFOも刑事にカツ丼を要求するのだった。

2017.11.27
dcでは爆発物処理班推しです。


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