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牛島くんとどうにかなりたいなんて思ってはいないけれど、それでも淡い期待をしてしまうのは仕方がないことだろう。しかし時間は待ってくれない。かといって日本とポーランドの距離に離れることが分かっていて、自分から動くことに積極的にはなれなかった。なのに。
「........名字」
「うん?」
「よければ、なんだが」
「はい」
「家に、寄っていかないか」
どくり、と心臓が音を立てる。まさかそんな台詞を牛島くんの口から聞くなんて思っていなかったし、誰彼構わずこういうことを言う人ではないことも明白だし、これは、期待をしても良いのだろうか。牛島くんも、離れ難いと思ってくれているって。
「......良いの?」
「ああ。俺が誘っているからな」
「彼女、とか」
「彼女は居ない。名字ともっと居たいんだ。駄目か?」
「それまで、誰のものにもならないでくれ」
「牛島くん、滅茶苦茶だよ......」
「すまない」
「私、明日日本に帰るんだよ」
「分かっている」
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