※ifなので恋式とは辻褄が合いません。
「苗字、起きろ」
素敵な声に誘われて目を覚ませば、至近距離に清隆くんの端正なお顔があった。角度的に彼のセクシーな鎖骨も丸見えで、鼻血を出すかと思った。思わず鼻を押さえながら咄嗟に盛大に仰け反って距離を取る。
「っ……!?」
「……ティッシュは無いから鼻血は出さない方がいい」
私の様子を見て察したようで、清隆くんは冷静にアドバイスしてくる。まあ私はポケットティッシュを持ち歩く女なので、いつでもどこでも鼻血を出しても大丈夫なのだがね、フッ。
「ここどこ?」
見回してみれば覚えの無い場所だった。え、もしかして拉致された?
私の疑問に答えたのは清隆くんではなかった。
「どうやら我々四人、この部屋に閉じ込められてしまったらしい」
「堀北先輩!? どうして?」
「さあな。四人とも寝ている間に此処へ連れてこられたらしい。最初に目を覚ましたのは俺で、綾小路と部屋を調べたがどうにも妙だ」
「えっ! なんで先に私を起こしてくれなかったんですか堀北先輩っ!」
清隆くんの貴重な寝顔を拝めたかもしれないのに! 最初で最後のチャンスだったかもしれないのにっ!
「──て、四人?」
「貴女、私が見えてないとでも言うつもり?」
「あれ、鈴音ちゃん!?」
彼女はご機嫌ナナメだった。清隆くんに釘付けで本当に目に入らなかったのだ、許してほしい。
「はぁ。苗字、お前だけだ。この事態を楽観視しているのは」
「へ?」
堀北先輩は、この部屋が普通の部屋とは違い摩訶不思議な力が働いているらしいこと、力づくで脱出するのは不可能だということ、怪しい指示が記された奇妙な紙を見つけたことを順に説明してくれた。なるほど、なんて分かりやすい状況説明、さすが生徒会長だ。
「指示って?」
「これだ」
堀北先輩は白い紙を私の眼前にかざした。とりあえずそこに書かれた文字を読み上げてみる。
「“チェスをする”、“ただし、決着がつくまで”、“勝者同士、敗者同士はそれぞれキスをする”!? “ただし、口と口で最低十秒”、十秒っ!? ……“全て終われば錠は外れる”。待って、十秒って長くないっ!?」
「苗字、問題はそこではないだろう」
「分かってますよ。清隆くんと堀北先輩がキスする可能性もあるってことですよね?」
「いや、それは回避出来るだろう」
「え、回避しちゃうの? 面白いのに──う、何でもないです。……えっと、じゃあ何が問題なんですか?」
「まずこの状況だ」
「それは……そうですね」
なにを、当たり前のことを決め顔で言っているんだろうウチの生徒会長は。
「今、何か失礼なことを考えているだろう?」
「いえ滅相もない」
「見ての通り扉らしきものは見当たらず、この空間にあるのはチェス二式、それに付随する机と椅子、そしてこの奇妙な紙、それだけだ」
「はぁ、」
それが何? みたいなリアクションをすれば、また溜め息を吐かれた。何よ、その物分りの悪い奴だなとでも言いたげな仕草は。
「この指示を正しく実行したところで外へ出られる保証が無いのに、性的接触というリスクを背負ってまでこの荒唐無稽な指示に従うかどうかが問題だ」
「え、そこ?」
さも当然というように繰り広げられる弁舌を聞いていたが、私がキョトンと問い返せば視線が集まった。
「いや、だって、チューくらいなんてことないですよね。別にセックスしろって命令されてるわけじゃないですし。そのくらい──」
「貴女、何とも思ってない人とキス出来るの?」
「嫌いな人とは嫌だけど、それ以外なら別に出来るよ。私はこの三人ならみんな好きだし、誰としてもおいし……ゲフン、構わないよ」
「……」
清隆くんとならお金を払ってでもしたいし、美少女であり友達である鈴音ちゃんとなら全く苦ではないし、その場合は清隆くんと堀北先輩のキスシーンなんていう激レアで面白いものが見られる。堀北先輩は非の打ち所のない憧れの先輩である上、キスすればひょっとしたら清隆くんに嫉妬させられるかもしれない。私としては誰としてもおいしい展開だ。
「あ、勿論断トツで清隆くんとしたいから! 勘違いしないで!」
また沈黙が流れたが、徐ろに私抜きで会議を始めようとする三人。寂しい。清隆くんは多分心の中では「別に誰も勘違いはしてないから安心しろ」とかなんとかツッコんでるんだろうけど、ツッコミはちゃんと声に出してくれないと。じゃないとボケが可哀相でしょ。
「まあ、試す価値はあるだろう。問題は対局の組み合わせだが……、男女で分かれよう」
三人は私を視界に入れないように輪を築いたが、そうはいかない。私は清隆くんと鈴音ちゃんの間に割り込んで、声を大にして発言し存在を主張した。
「待ってください! それだと清隆くんが鈴音ちゃんとキスする可能性があるじゃないですか! 断固反対です。それより、男同士女同士でキスするのが一番後腐れないと思います」
「確かに俺と綾小路は確実にお前達二人に勝つだろう。だが俺はなるべくならそれを避けたい」
「堀北先輩、妹とキスしたいだけでは?」
「このシスコン」とボソリと呟けば近距離なのでしっかり聞こえたらしく、「なんだと?」とすかさず睨んできた。
「でもまあ、それなら私と利害が一致しますね。協力しましょう」
「待て。俺は別にそんなつもりは──」
「兄さん……」
「鈴音違う。俺は、別にお前とどうこうというわけではなく、消去法で────」
ちょっとこれ以上堀北先輩に喋らせたら可哀相だと判断して、話題を変えてあげることにした。
「組み合わせは三通り。そのうち、私と清隆くん、堀北先輩と鈴音ちゃんでそれぞれ勝負する組み合わせは、私と清隆くんがキス出来る可能性が皆無なので没」
「没なのか」
「何か異論でも、清隆くん?」
「いや、別に」
「私と堀北先輩、清隆くんと鈴音ちゃんでそれぞれ勝負する組み合わせ。私としては一番オススメしたいんだけど────」
それには男性陣から猛反発を食らった。
「却下だ」
「俺もそれはちょっと。せっかくなら生徒会長と勝負してみたいしな」
「ほう、お前が俺と勝負したいとは意外だな」
「この部屋なら、他の目を気にせず戦えるだろう」
「受けて立とう」
ええー、あれー、なんか組み合わせ決定したみたいな空気になってますけどー。私のオススメの組み合わせは没ですかー、ソウデスカー。
「じゃあ私達もやりましょうか」
「ふぁーぃ」
私は泣く泣く鈴音ちゃんの向かいに腰を下ろしたのだった。
室内は特定の音だけが不定期に鳴り響いている。会話は滅多に無い。制限時間も時計も無く、静かなものだ。
「……」
戦況は悪くない。私に分がある。それよりも、私が気にするのは隣の対局。清隆くんが堀北先輩に勝てるかどうか、もとい、わざと負けたりしないかどうかである。本気を出せば清隆くんの勝ちは疑いようがないけれど、清隆くんだからなぁ、本気を出すとはどうにも想像出来ないんだよなぁ。私はそれが気がかりで、つい隣の対局にばかり視線を向けてしまう。万が一、清隆くんが堀北先輩に負けて私が鈴音ちゃんに勝った場合、清隆くんと鈴音ちゃんがキスしてしまう。それだけは回避しなければならない。しかし鈴音ちゃんのことだ、もし私が手を抜いたなんて知ったら後が面倒くさそうだ。つまり私は、格下である鈴音ちゃんにわざとと悟られないように負けなければならないということ。ああ、気にしなければならないことがたくさんだ。
そうして私はとうとうやらかしてしまった。
「ん? あっ! 待った!」
動かしたクイーンから手を離した途端、鈴音ちゃんが珍しくニヒルに口角を上げたのが目に入って気付いた。
「待った? そんなの通用すると思っているの?」
「っぐぅ……」
ぐうの音も出ないとはこのこと。隣の対局ばかり気にするあまり自分の勝負でポカをしてしまうなんて。あっちは清隆くんが優勢。つまり、このままでは私は鈴音ちゃんに睨まれ清隆くんに見つめられながら堀北先輩とキスをすることになってしまう。そして鈴音ちゃんが清隆くんとキスしてしまう。
だが、ふと視界に入ったのは清隆くんの真剣な顔。いつもの気の抜けたようなオーラはどこにも見当たらない。やだ、誰この超かっこいい人。
「て、あれ? もしかして清隆くん、手加減無しでやってる?」
「当たり前だろう。手加減する理由が無い」
確かにそうか。ここに居るのは、みんな清隆くんに実力があることを知っている人物。であれば、私も負けるわけにはいかない、そう、絶対にだ! 落ち着け。私の棋力ならここから挽回するくらいわけないはずだ。
「清隆くん、勝ってね」
「ああ、俺は負けない。負けようがない」
なんて頼もしい。それだけ力強い言葉をもらえたら十分だ。私も、もうよそ見はしない。鈴音ちゃんとの対局に集中しよう。
──コトッ、
「っ……」
よし、追い詰めた。右の二人と比べれば、鈴音ちゃんでも随分表情豊かに見えてくるから不思議だ。
「これで、チェックメイト!」
「っ……負けました」
「やったーっ! 逆転勝利ーっ!」
周りの音も聴こえないほど集中し、鈴音ちゃんに見事勝利した。一通り
「清隆くん……!」
「ああ、勝ったぞ」
勝者はもう一方の勝者と、敗者はもう一方の敗者とキスをしなければこの部屋を出られない。私は今から大好きな清隆くんと大義名分の上でキスをするということ。ごくり。
「キスは、最低十秒で、舌を絡めるんだったよね?」
「いや、舌を絡めろなんていう指示は無かったと思うぞ」
「でっでも、十秒ってことは、つまりそれだけ深くキスしろってことじゃない?」
「そうなのか。いやでも──」
「指示を読み違えて、部屋から出られなかったら大変だよ? 減るもんでもないし、ね?」
「……分かった」
しめしめ、相変わらず清隆くんは押しに弱い。さて、それじゃあ好きな人と愛のベーゼを交わすとしますか。
「清隆くん」
「いや苗字、ちょっと待ってくれ」
キス待ち顔をした私に間髪入れず清隆くんが待ったをかけた。
「何?」
そこで清隆くんは私から堀北先輩と鈴音ちゃんに視線を移した。私もそれに倣う。彼らは私達の成り行きをジッと見つめていた。……ああ、そういうことか。つまり、彼らは私達がキスして本当にこの部屋から出られるのかを見届けてから自分達はこっそり行おうという魂胆なのだろう。
「あんた達が先にやって見せてくれないか」
「なら同時にというのはどうだ?」
妹とのキスを見られるのは避けたいのか、堀北先輩は代替案を提案する。しかし清隆くんは強気に反論した。
「出られるという確証が無い以上、負けた奴から試すのは当然だと思うが?」
私は別に見られながらしても気にしないけれど、清隆くんは気になるのだろうか。清隆くんの論破に堀北先輩はあっさり引き下がって鈴音ちゃんと向かい合った。
「鈴音、きっかり十秒だ。もちろんフレンチキス。いいな?」
「はい、兄さん」
「あ、私、声出して数えてましょうか?」
「結構だ」
私のお節介は一瞥もされず切り捨てられた。二人は目を逸らさず見つめあっている。まるで愛し合う男女だ。いや、まあ、実際愛し合う兄妹だもんなぁ。それも割と歪んだ愛の。
「ッキャー」
これといった合図も無しにどちらからともなく目を閉じて顔を近付け合う二人。見てるこっちが恥ずかしくなって思わず両の目を覆い小さな悲鳴をあげた。映画のキスシーンを観るよりも恥ずかしい。
「……」
緊張感のある沈黙が流れた。指の隙間から覗き見るという無駄な仕草で見ているが、視覚的に大して変化はない。せいぜい鈴音ちゃんの指先がピクピク動いているくらいだ。二人は唇をくっ付け合いながら一秒一秒心の中で数えているのだろう。そんな機械的な作業がなんだか逆にとてつもなくエッチに思えた。
「ひゃわわわわわ」
私と同様に二人に釘付けな清隆くんの服をぎゅっと掴んで力をこめることで、暴れ狂う羞恥心や興奮をどうにか抑えこんだ。
「あ……!」
もう三十秒くらい経ったのではないかという頃、ようやく唇を離した二人。すると瞬く間に扉が現れた。
「……先に戻っているぞ」
私達を見てそう言った堀北先輩は、確信を持ったようにその扉を開けてその先へと姿を消した。鈴音ちゃんも。
そしてパタン、と音をたてて扉は無情に閉まり、すっと壁に溶け込んだ。
「えっと、二人は部屋を出られたんだよね?」
どこか異次元へ行ったとかではないよね? あれって天国への扉とかではないよね? 不安が渦巻いて清隆くんを見上げると、一応「多分な」と言ってくれる。対局で脳が疲弊したところへ信じられないことが続き、頭がパンクしそうだ。ちょっと休憩したい。
「さて、じゃあ俺達もするか」
私の混乱など知る由もない清隆くんがガシッと私の両肩を掴んだ。あれ、なんかムード的なものが足りない気がする。もしかして私の日頃の行いのせい?
「ま、待って清隆くん」
「どうした?」
「いや、えっと、なんていうか、その、ちゃんと、味わって……ね?」
清隆くんとのキスは初めてではない。だけど、作業的に済まされるのはなんだか嫌だなと思った。あの時みたいな優しいキスをしてほしい。
「……善処する」
表情に変化はないけれど、肩を掴む手に更に力がこもった。ゆっくりと近付いてくる清隆くんの端正な顔立ち。悔しいけどかっこいいと心底思う。私は渾身のキス待ち顔で首を伸ばした。
「んむ」
唇が触れた。ああ、なんだろう、この充足感は。好き、清隆くんが好き。
「っ──!?」
十秒を数えるのも忘れてキスの幸福感に没頭していると、突如唇が割られ舌が口内に侵入してきた。全身がビクンッと
「ん、っ……ぁふ、んぅ」
私の呼吸だけが乱されていく。おかしい。とっくに十秒は経ったはずだ。清隆くんが十秒数えていないなんて考えもしなかった。それともまだ十秒経っていないのだろうか。分からない。もういいや、何も考えたくない。
「……はぁ、はぁ、」
いつまでも続けていたいと願ってしまうほど気持ちのいいキスが終わった。途中から意識が朦朧とし始めたので、どうやって切り上げたのかよく思い出せない。酸素が行き渡っていく部分から少しずつ自分の制御下に戻ってくる。いつの間にか清隆くんの服を掴んで震えている自分の手に気付いた。掴んだ記憶は全く無い。ディープキスがこんなに恐ろしいものだとは知らなかった。
「行くぞ」
あれだけエッチなキスをした直後とは思えないようないつも通りの清隆くんの手が、彼の懐で震えている私の手を掴み取った。歩き出した清隆くんに引っ張られてガクガクと頼りない私の足も前へ踏み出す。かろうじて立って歩けているといった具合だ。心臓も、腰砕けそうな下半身も、掴まれた手も、蹂躙された舌先や唇も、頭の中も全部私の思い通りにはならず、清隆くんのものになってしまったような感覚に陥っていた。それらはなかなか私の制御下に戻ってこないのだ。
「っ……ぅあ、……っと」
目を回して倒れそうな状態の身体に鞭打って無我夢中で清隆くんについて歩く。まだ何も考えられない。まるで兎を追いかけながらおとぎの国に迷い込むアリスにでもなったような気分だ。何も知らずにただこの先に行けば素敵なことが待っているのだと愚直に信じてしまえる。
そうして夢見心地のまま私は扉をくぐり抜けたのだった。
「きよたかくぅん……」
「苗字、起きろ」
「きよたかくんん……んん……うにゃ?」
はっと目を覚ますとすぐに清隆くんの姿が目に入った。ああ、現実って天国だな。清隆くんが起こしてくれた場所は実際には図書館だった。本に囲まれて清隆くんの夢を視て清隆くんに起こしてもらう、うん、紛うことなき天国に違いない。
「ようやく起きたか。寝ぼけてたぞ。どんな夢視てたんだ?」
「夢?」
はて、何の夢だっただろうか。そうだ、確か清隆くんと鈴音ちゃんと堀北先輩と一緒に部屋を出るミッションをこなす夢だ。チェスをして、それからえぇと────。
「そうだ! キス!」
「キスがどうした?」
「清隆くんとキスする夢視たの。……ん? あれって夢だったのかな? 現実?」
「さあ、どうだろうな」
再び唸るように考え込む私に知ったような口を聞く清隆くんを見れば、やけに皺クチャの服を着ていた。まるで、誰かにそこかしこを握り締められたような……、あれ?
「もしかして、夢じゃない?」
思わず口元に触れた。いつも欠かさず塗っているリップの感触は皆無だった。何があったらこんなにリップが剥がれるのか? そう、何がしかが起こっていたのだ。あれが夢じゃないとすれば、全て現実だとすれば、私は清隆くんとディープなキスをしたということだ。
「清隆くん、どうして、舌入れたの?」
ようやく自分の思い通りに回転し始めた脳を稼働させて辿り着いたのは最初に放り投げた疑問。
「さあ、なんでだろうな。俺自身分からない」
「それって……」
それって清隆くんは無自覚に舌を入れたってこと? え、その方が嬉しいんだけど。だって本能的に私と深いキスしたくなってたってことじゃない? そんなの、嬉し過ぎてわけが分からないよ。
あ、と思った時にはそれは頬を伝っていた。
「急に泣くとか、情緒不安定なのか?」
「清隆くんのせいでね!」
どうしよう、思い込みで感情ぐちゃぐちゃになって涙まで流すなんてイタ過ぎない、私? そう、清隆くんは私のこと好きになったわけじゃないんだよ。私が勝手にそう思い込んだだけ。恋は、きっと自覚しないと名前が付かない。どんなに好きでも、その好きの種類は有耶無耶のまま。
「清隆くん、私のこと好き?」
涙を拭って、訊いてみる。正直、すごく勇気が要った。だけど、返事を聞くのがものすごく恐くなって、訊いた後の方が勇気が必要だった。
「嫌いではないな」
とりあえず、当たり障りのない返事をもらえたことにホッとする。
「そっか」
けれど、清隆くんに嫌いな人なんているのだろうか。甚だ疑問だ。
「お前の好きとは違うが、お前のことは好ましく思ってるよ。お前は俺の……友達だからな」
一体どこから出しているのだろうと不思議に思えてしまうくらい優しい声。私の大好きなそんな声で残酷なことをさらっと言ってのける彼が愛おしくて、目を眇めた。
「そう」
清隆くんは、まだその気持ちを見つけられない。清隆くんがその気持ちに名前を付ける日は、来るのだろうか。
だけど私の情熱は、世界が三回繰り返しても燃え尽きることはないだろう。だから私が数々の屈辱に耐え抜けば、この恋愛ゲームに負けるはずなんてないのだ。絶対に。
END.──