「なんでって、私がいても役に立たないからこの街から出るの。そこら辺の人よりかは櫂のことわかってるつもりだけど、今回の件で私より理解できてる人がいるってわかったからさ。――三和は大親友、雀ヶ森は離れたときの櫂を知ってる、先導はライバル。私は昔から知ってる、ってだけ。ほら、この差だよ。挙げ句の果てには私、女だからオトコの子のことよくわかんないし。全部話せるわけじゃないし、まあ話されたとしても理解はできないだろうし。今回、ようやくその重大さに気付いたよ。私といたって何ひとつプラスになったりなんてしない。邪魔なお荷物になるだけなんだよ、私はね。……とりあえず、櫂が気に病むようなことじゃない。私が悪かっただけ、うん。だから、間違っても引き留めようだとかしないでね。しょうもないけどこれはね、私が勝手にやってる贖罪もどきなの。櫂が苦しんでても、私は目をそらし続けてたから。――でも、やっぱり寂しいなあ」

 僅かに震える指先を絡め取ったが、櫂よりかはマシだけどね、と笑って払い除けられた。――俺が強さを求めた代償は、大きいのだとわかった。
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