02 : すべてを射抜くような





こんのすけとの打ち合わせを済ませた日の翌日。私の元へこんのすけが迎えに来た。


「ご準備は?」

「大丈夫だと、思う。」

「…では、参りましょう!」


私が頷き荷物を持つと、それを確認したこんのすけが本丸への道を開けてくれた。





目の前に現れた大きなお屋敷。写真で見ただけでは伝わらなかった迫力に襲われ、思わず息を飲む。
今日からここは、私の本丸だ。


「随分と立派だね…」

「そうでしょう、そうでしょう!」


何故か得意げな表情のこんのすけについて行くと例の縁側が見える。
縁側へ腰を下ろすと、眺めは予想通り。完璧だった。

私は持って来た灰皿を用意し縁側へ置き、一本の煙草に火を点ける。


「さて、審神者様。早速ですが初期刀を決めていただきます」

「初期刀、か…」

「どれになさいますか?」


どこから出したのだろうか、こんのすけは縁側へ刀を並べ、問う。


「うーん、うーん。」

「ま、また一時間以上待たせるおつもりで…?」

「いや…」


怯えた表情のこんのすけを制止する。
こんのすけが丁寧に並べている際に、答えは決まっていた。


「この、赤いのにする」

「かの有名な沖田総司の刀ですね」

「そうなんだ」

「既にご存知なのかと…」


ただの一目惚れだ。
デザインが、と言うより、この刀の出す雰囲気が好きだと感じた。


「それでは、早速顕現してみましょう!」

「やってみましょう。」


私は指先にある煙草の灰を灰皿へ逃がし、目の前の刀に触れる。

その瞬間…


「わっ…こんのすけ…!」

「大丈夫です。現れますよ!」


桜の木なんて見当たらないのに、突如現れた桜吹雪の中、人影が確認できる。

そして、ふわりと落ち着いた花弁の先に現れた神様の姿に、見開いた目が戻る事を忘れる。


「あー。川の下の子です。」


これが彼…加州清光と私の出会いだった。