03 : 飛ぶ、跳ねる。





清光と二人での生活にも慣れた頃。そろそろ出陣をして欲しいと、政府から連絡があった。


「一人じゃ行かせたくないなぁ…」

「あーるじ。どうしたの?」

「清光…」


出陣させるならば、まずは鍛刀をするべきだ。私の肩に頭を乗せている清光に、鍛冶場へ向かう旨を伝え、一緒に向かう。


「初めての鍛刀は全て50ずつ入れてみてください」機械の使い方や鍛刀の心得が書かれた書類に目を通すと、そう書かれていた。


「こんなので刀作れるの?」

「そのようです、ね…」


清光だけではなく私自身も半信半疑だったが、このまま何もしない訳にはいかない。
資材の分量を計り、機械に入れる。そして、添えられたボタンを押すと…


「なんか時間書いてあるね」


電子タイマーが表示された。
この表示された時間を待つと、完成するようだ。


「あ。この手伝い札っていうの使ったら?」

「これ、ですか。」


書類と共に添えられていた札を見ると、そこには手伝い札≠ニ書かれていた。
この札を使用すると、待ち時間を無視して直ぐに完成するとの事だ。


「うーん…」

「どうしたの?」

「この札は、出陣で傷付いた後の手入れにも使用できると説明を受けていたので…」

「ふーん。」


初めに各本丸に与えられている手入れ場は、二振りしか手入れを受ける事ができない。
戦績によって増やして貰えると聞いているが、多少なり時間が掛かるだろう。

元は刀と言えど、今は人間の身を受ける彼ら。私達人間と変わらず、傷を作れば痛む。
成る可くならば、早めに手入れの順番を回したい気持ちがあった。


「部隊編成は、後に最大六振り。手入れ場が改善されるまでが心配で…」

「そっか…あ。出来たみたい」

「えっ」


清光が指差すタイマーへ目をやると、そこには終わりを告げる完了の文字。
どうやらあれこれ考えているうちに、完成したようだ。

取り付けられたドアを開けると、一振りの短刀が目に入る。


「短刀だね」

「短刀ですね」


完成したばかりの短刀に触れると、花吹雪が起こる。仄かに清光との出会いを思い出す香り。


「よしつねこうのまもりがたななんですよ!」


花吹雪から飛び出て来た小さな神様は、とても元気が良く、子供の姿をしていた。


「今剣。これから私に手を貸していただけませんか?」

「…あなたがあたらしい、ぼくのあるじさまですね!まかせてください!」


えっへんと胸を張り答える今剣の手を取り、反対側の手で清光の手を取る。


「良かったね、主。」

「はい。ありがとう、清光」


それから三人は大広間へ向かい、昼餉も兼ねて小さな歓迎会を開く事にした。