04 : ぱたぱた走る





「かしゅー!さぼったらだめです!」

「さぼってませんー。休憩中でーす」


政府へ提出する書類をまとめていると、賑やかな声が響く。
今剣が清光に懐き、清光も満更ではなさそうで、二人はいつも一緒にいた。


「あるじさまー!かしゅーが!」

「あ、ずるいぞ今剣!」

「あらあら。そろそろ昼餉の時間ですし、昼餉をいただきながらお話を聞かせてくださいね」

「りょうかいです!」


てをあらってきますー!と、元気よく走る今剣の姿はもう見えない。
代わりにげっそりとした表情を浮かべる清光が、こちらへやってきた。


「あるじー…つーかーれーたー。」

「清光、お疲れ様です。今剣の事、いつもありがとうございます」

「うん。俺が構ってないと、すぐ主のとこ行っちゃうからねー」


あくまで自分の為だと主張する彼だが、弟を持った兄の様な優しい笑みが溢れていた。
やはり二人きりよりも、仲間が増え賑やかな方が、彼にとっても居心地が良いのではないだろうか。


「私は昼餉の用意をしてくるので、清光も手を洗ってきてくださいね」

「はーい」


小走りでかけて行く清光の背中を見送り、私は厨へ向かった。





「ごちそうさまでーす!」

「ご馳走さまー」

「お粗末様です。」


今剣がご飯を口に運びながらも、畑に大きなミミズがいたとか、芽が出たから明日には食べれるだろうかとか…あとは清光がサボっていた件を楽しそうに話してくれた。

お陰様で話が落ち着く頃のご飯は冷えてしまっていたけれど、とても賑やかで楽しい食卓になった。


「そう言えば主。そろそろ出陣しないとまずいんだよね?」

「…はい。本当は六振り集まってから、と思ったのですが…」


執務室に置いてきた政府からの文には、出陣の催促を告げる文字が並んでいた。今剣が仲間に加わったとは言え、やはり二人だけを送り出すのには気が引けた。


「敵も数が少なく、錬度もそこまで必要ではない時代を提案していただいたのですが…明日辺りにお願いしても大丈夫ですか?」


そんな私を見かね、こんのすけがいろいろ調べてくれたのだ。
私も調べてみたところ、こんのすけが提案してくれた時代であれば、清光と今剣の二人だけでも多少は余裕があるだろう。と言う結論に至った。


「ぼく、いきます!あたらしいなかまも、つれてきますからね!」

「資材も探してみるし、頑張るから、さ。」

「うん、ありがとうございます」


この二人を信じよう。
私は食器を下げ、ぱたぱたと急ぎ足で執務室へ向かった。