05 : それは、それを求める。





今日はついに、初出陣の日だ。


「軽傷でも、ちょっとでも怪我をしたら直ぐに帰還してください。」

「大袈裟だなぁ」

「あるじさまは、しんぱいしょう、ですね!」


これは命令です。そう言えば、二人は背を伸ばして頷く。
出来る事ならば、私も付いて行きたいと思うのだが、それは叶わない。


「いってきまーす!」

「いってくるね。」

「はい。いってらっしゃい…」


設置された転送装置を起動させると、二人は旅立って行った。


「落ち着かないなぁ…」

「直ぐに帰ってきますよ!」

「こんのすけ!」


転送装置が見える縁側で足をぶらつかせていると、いつの間にか目の前にこんのすけが座っていた。


「どうせ心配して仕事そっちのけだろうと思いまして…」

「ごめんなさい…」


苦笑いがこぼれる。


「私も一緒に出陣できれば良いのだけど…」

「そう言うと思って!こんのすけ、良いものをお持ち致しました」


そう言うと、どこから取り出したのか、大きな封筒を差し出された。


「講習会、のおしらせ…?」

「はい。その講習内容にある式神の項目ですが、どうやら式神を用いて出陣中の刀剣男士と連絡を取ることができるらしいのです。」

「通話、みたいな感じかな?」

「その様なものかと。いかがでしょうか?」


どうやら特に必要な物や、必要な能力…厳密には審神者になれる時点で特殊な能力が備わっているのが事実だが、特に必要ないようだ。


「これ、受けたいな。式神の扱い方だけ受ける事できるの?」

「大丈夫です!それでは、申し込んでおきますね。」


私がお礼を告げると、こんのすけは煙と共に消えていった。

講習を受けられる事になったが、結局私のそわそわした気持ちは収まっておらず、マッチを擦り煙草を吸いながら二人の帰りを待ち続けた。





「あるじさまー!もどりましたよ!」

「あ、こら今剣!転ぶよ?ただいま…」

「今剣、清光。お帰りなさい」


二人を出迎え、まとめて抱きしめる。


「あるじさま!かしゅーがさいごに…」

「道中は無傷だったんだけどね。最後、ちょっとだけやられちゃった。」


少し離れて二人を見ると、清光が傷を負っていた。


「かしゅーは、ぼくをまもるために!だから、おこらないでくださいね」

「…そうだったのですね。今剣は傷付いていませんか?」

「ぼくは、ぴんぴんしています!」


そっと頭を撫でてやると、気持ち良さそうに目を細めた。
おやつを用意してあるからと、今剣に手を洗ってから大広間へ向かうように告げ、私は清光と向き合った。


「清光…」

「な、なに…?」

「ありがとう。手入れ部屋へ行きましょう」

「…えっ、捨てない、の?」


「ぼろぼろだから、もう愛されないかと思った」なんて呟く彼の表情は、いつになく愛を求めている様子が感じ取れる。


「馬鹿なこと言わないでください。変わらずに愛しています。それに、今剣を守ってくれて、本当にありがとう。」


もう一度抱きしめると、彼の涙を感じた。