部活のない日曜日、謙也は自宅に悠樹を呼びこの日も好きなだけセックスに明け暮れていた。

いつもと違って興奮するのは、すぐ隣の部屋に弟がいることだ。階下に母がいる時に布団を被ってセックスをしたことはあっても、壁一枚隔てた向こうに誰かがいる状況で行為をしたことは無かった。
謙也はこうなることを分かって悠樹を呼び、着いて早々に服を脱がせた。隣に弟いるけどいい?と言う謙也の意地の悪い申し出にも悠樹は顔を赤くしながら黙って頷き、それを見た謙也はいつものように加虐心を刺激された。

「っ……ぅ、ンっ……!」
「ちょっとでも声上げたら聞こえるで。うちの家、壁薄いからさぁ」
「……っ!ん、っ……ッ!」
「はは、健気やなあ?ジブン。あーでも、翔太がこれ見たらドン引きするやろな」

壁も決して薄くは無かったし、思春期真っ盛りの弟が悠樹の痴態を見たら興奮するかもしれないとも思ったが、悠樹を追い詰めるためならいくらでも口から出まかせが出てきた。
仰向けに寝た状態で足を高く上げ、曝け出された後ろの秘部を謙也の指が掻き回す。指で与えられる刺激と、指だけでは届かない奥の疼きが悠樹を翻弄し、悠樹の目尻にはじわりと涙が浮かんでいた。

「俺もうヤバイわ。挿れんで」
「ぁ……ッ、ぁ……っ」
「声、抑えとけよ?」

謙也のペニスから溢れている先走りのお陰で、性器をアナルに擦り付けるとクチュクチュと厭らしい音が鳴る。その音だけで悠樹は更に顔を赤くし、口元に両手を被せながら身体を震わせた。
ヌプリ、と亀頭が柔らかく解れたアナルに埋まり、そのまま一気に突き上げられる。

「ッんぅ〜〜〜〜〜っ、!!!!」
「は……っ、きっつ」

口に被せた両手の裏から、くぐもった叫び声が上がる。ただ抑えているだけでは耐えられないと思ったのか、悠樹は自分の親指を噛んで、襲い来る大きな快楽の波に耐えていた。
謙也はすぐに腰を動かし、いいように悠樹の中を暴いた。指では届かなかった奥が突き上げられ、悠樹は強すぎる快楽に顔を涙で濡らしている。気持ちいいのに、絶対に声を上げちゃいけない。その戒めのような命令が、悠樹の精神を追い詰め、余計に大きな興奮を誘った。

「っは、ギュウギュウやん、いつもより締め付け激しいで?」
「んぅ……っ、……!ん、!」
「めっちゃ興奮しとる、先走りもドロッドロ」

たまらなくて、悠樹は尚の事強く親指を噛んだ。こうでもしないとあられもない声を上げてしまいそうになる。

「なぁ、指さ、痛ないの?」
「ん、ん……っ!」
「うそやろ、見してみろや」

突き上げながら謙也が問う。悠樹は痛くないという意思表示で首を横に振ったが、謙也に一蹴された。
腰の動きを緩くしながら、謙也が悠樹の口から親指を抜き取る。声が出てしまう怖さがあるのに、それでも謙也の言うことには一言でも逆らえない悠樹は、半分パニックになりながらされるがままになった。

「ん、ふ、……っ、ぁ、!」
「うわーいったそうやん。枕噛んどけや」
「まくっ、ら……っ?」
「そお。……な、今からごっついの来るけど、絶対声上げんなよ」
「え……、んっ」
「手ぇで口抑えとけ」

言われた通り両手で口を覆う。指を噛むのは謙也の意にそぐわないと思い、きつく口を抑えるだけにした。
謙也が悠樹の腰を掴み、仰向けに倒されていた悠樹の身体を力づくで横向きへ変える。ぐるり、と肉壁が謙也の熱いペニスで擦られ、悠樹は叫び出しそうになる媚声を必死に抑えた。
謙也の手に込められた力が緩まず、彼は今自分のことを俯せにしたいのだ、と快感でどうにかなってしまいそうな頭の中で悠樹は考えた。そうであれば、謙也の望みが叶うようにできることをしたい。悠樹は身体を力ませ、謙也が僅かな力で自分を俯けにできるよう手伝った。

「ん、ふぅ……!!」
「悠樹、枕噛んでええよ」
「、ん、ん……っ、んん!っ〜んん、!」
「それやったらさぁ、声、っ抑えれるやろ?」

謙也の律動に合わせて悠樹からくぐもった声が上がる。先程とは違う体勢で突かれると、違った場所が刺激されて悠樹は今日また初めて知る快楽に頭が蕩けそうになった。

「指、噛んでた跡ついてるし……」
「んん、……っん、ん、!」

指についた歯型を見て、どういう訳か謙也は同じことをしたい衝動に駆られた。眼下で晒されている肩に噛み付きたい。思うがまま、謙也は悠樹の左肩に思い切り噛み付いた。悠樹はまた枕越しに声を上げた。けれど、それが謙也の性器で突かれた悦びだったのか、噛み付かれた痛みだったのか、謙也には分からない。

ただ一つ、これはいい眺めだ、と充足感に満たされたのは確かなことだった。