首輪

 

なまえと忠臣の首元には、揃いのチョーカーが着けられている。なまえはくるくると服装を変えがちなので首元を彩るアクセサリーを見つけるのは容易いが、忠臣のとなるとそうはいかない。それに気づけたのは普段はきちんと閉じられている軍服の襟が開いていたから。ちらりと覗く革の黒と金具の銀を見つめて、テスラが問うた。

「忠臣がアクセサリー着けてるなんて珍しいね」

本革でできているからちょっとやそっとの力では切れないだろう。太めで無骨なそれはむしろ――首輪のようにも見える。

「しかも胸元開けてさ。そんなにお揃いだって自慢したいの?」
「ああ…こういうのは、見せつけないと意味がないと聞いた、から」

目を細める忠臣。視線の甘さを鑑みるにはテスラは幼すぎた。その先にいたのはなまえではなくサーティーン。
よく分からなくて首を傾げるテスラを尻目に、サーティーンは静かに笑った。




 

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