真っ暗な広い空間で、私は不思議な夢を見ていた
大きな顔岩のある豊かな里で、オレンジ色の禍々しい九尾狐が暴れていた
赤い髪の女の人と、金髪の男の人が赤子に向かって何か話しかけていた

悲し気に泣きながら赤ん坊を守る様に庇い、九尾狐の一本の巨大な爪に貫かれていた
胴体の真ん中を貫いている…誰がどう見ても助からないだろう…。
悲しい…おそらくあの子供の両親なのだろう
あの子供は…どうなってしまうのだろう?

そして場面が変わり、オレンジ色の仮面をつけていた男が洞窟のような場所で何か儀式をしていた

「くっくく、やっと情報が手に入った…この世界のことを知るものを召喚できる

そしてこの世界に、痛みを!!」

血で書かれたような術式の真ん中で、指で印を組んだ

そして私の視界は、ぐらりと歪み意識を手放した。

「不思議な夢」序章:トリップ
全ての物語はここから始まった